市場ニュース

戻る
 

【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】


「上がるはずがないのに新値追い?!」

●外部環境落ち着くも、軟調な主力株

 残念ながら主力株の値動きが重い。中核銘柄のトヨタ <7203> が7月16日に高値を付けて以降、調整色を強めていることもあろうが、総合商社最大手の三菱商 <8058> 、キヤノン <7751> 、日立 <6501> 、そして武田 <4502> と大所が軒並み上がれないでいる。極端なのはコマツ <6301> で、見るも気の毒なほどの下げようだ。

 東芝 <6502> が上がれないのは理解できるが、特に経営に問題がないこれらの銘柄が軟調なのは、なぜ? ギリシャの債務問題が片づき、上海市場のバブル崩壊も食い止められた。こうなれば、あとは株は上がるしかない。こんなはずだったのに、そうはなっていないのはなぜ?

 特に大きな理由があるわけではない。東京市場のメインプレーヤーである外国人投資家たちが夏休みに入っているからだ。それは日々の出来高に表れている。東証1部のそれは22日に21億株に届いたものの、このところ20億株を割りこむ日々だ。これは閑散とまでは行かないものの、盛り上がりにはほど遠い。

●ネガティブ評価株に飛躍の芽

 しかし、ここで見逃がさないようにしたいのは、上述したように主力株が軟調なのに、新値に進む銘柄が非常に多いことだ。

 この原稿を書いている時点でも、日経平均は140円以上も下げているのに、日本M&A <2127> 、ALSOK <2331> 、ローソン <2651> 、マツキヨHD <3088> 、日医工 <4541> 、中外薬 <4519> 、ポーラHD <4927> など一つ一つ挙げていけばキリがないほどだ。

 そして、それらの多くが、この株、どこが良くてこんなに上がるんだろうか。こんな疑問を持ちたくなる銘柄が結構多い。その典型は前回取り上げたソニー <6758> で、上がるはずがないと思われるような銘柄だったために上がった。こういえるほどの上昇ぶりだったと言ってよい。

 そこで、今週もこの点に着目し、特に上がるような材料がない、すでにこんなに上がってる、テーマ性があるといっても限界がある、などとネガティブな評価が多そうな銘柄の中から、Gショックの販売が好調なカシオ <6952> 、インバウンド消費の恩恵大なJフロント <3086> 、冷凍食品大手のニチレイ <2871> 、日用品大手のライオン <4912> などがある。

 なお、小型株では一休 <2450> 、ティア <2485> 、日本M&A <2127> がある。ジャスダック銘柄にも目を向けておくと、情報セキュリティに強いラック <3857> [JQ]が魅力的だ。

2015年7月24日 記

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均