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【市況】為替週間見通し:ドルはもみあいか、利上げ開始後ズレの場合はドル反落の可能性


■ドルは伸び悩む、米国株安などが嫌気される

先週のドル・円は伸び悩み。米9月利上げ観測の台頭、6月の中古住宅販売件数の増加Mなどを意識してドルは一時124円48銭まで買われた。しかしながら、NYダウが24日にかけて4日続落したことや6月の米新築住宅販売件数が減少したことを嫌気して、リスク回避的なドル売りが次第に広がった。ドルは一時123円57銭まで下落し、週末前は主に123円台後半で推移する展開となった。取引レンジは123円57銭-124円48銭

■ドルはもみあいか、利上げ開始後ズレの場合はドル反落の可能性

今週のドル・円は、もみあいか。28-29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は議会証言で年内利上げの見通しを表明しており、利上げへの期待感からドル買いが大幅に縮小する可能性は低いとみられる。

ただし、利上げ開始時期について市場参加者の間では、9月と12月に見方が分かれている。FOMC会合後に9月利上げの思惑が強くなった場合は125円を試す展開となりそうだが、12月かそれ以降になるとの見方が広がった場合はドル売りが優勢となり、ドル・円は122円台まで下落するとの見方が出ている。

予想レンジ122円50銭?125円50銭

【米連邦公開市場委員会(FOMC会合)】(現地時間29日結果判明)
イエレン議長は7月15-16日に開かれた議会証言で、年内に利上げを行う見通しであると表明している。今回のFOMC会合で利上げが決定されることはないとみられているが、近い将来における利上げ開始(9月利上げ)を明示する声明内容となった場合はドル買いが優勢となりそうだ。

ただし、利上げペースは緩やかなものになるとの見方が広がった場合、9月利上げが想定されるケースでもリスク選好的なドル買いが大きく広がる可能性は低いとみられる。

【米国の4-6月期国内総生産】(30日)
市場予想は前期比年率+2.5%。参考となる1-3月期国内総生産(GDP)確報値は、前期比年率+0.2%で改定値から上方修正された。1-3月期におけるマイナス成長は想定外の結果ではなく、米国の金融政策に重大な影響を与えなかった。4-6月期GDPが市場予想と一致すれば9月利上げの思惑が強まり、ドル高要因となる。

ただし、米長期金利が大幅に上昇した場合、株安となる可能性もあるため、GDPが予想以上に強い数字だった場合、株式市場の反応を見極める必要がありそうだ。

《FA》

 提供:フィスコ

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