【市況】【杉村富生の短期相場観測】
「あるか、ドンデン返しの“決着”!!」
●チプラス政権はあまりにも無責任!
相変わらず、ギリシャに振り回されている。チプラス政権による突然の支援協議打ち切り、緊縮財政の是非を問う国民投票の実施(7月5日)は政権遂行義務を放棄したとの見方ができる。
この局面において、国民に“丸投げ”(判断を国民に委ねる)はあまりにも無責任である。政治家の資質に欠ける。まさに、かわいそうなのはこの子(国民)でござる!といった状況ではないか。
もっとも、こんな大衆迎合のチプラス政権を選んだのはその国民だが……。
すでに、国民生活は破綻寸前である。銀行に加え、証券取引所は休業(1週間の予定)となっている。銀行の休業は大量の資金流出に備えたもの。
資本規制も実施されている。ATMによる預金の引き出しは1日60ユーロ(約8000円)に制限されている。それに、ATMの4割はカラッポらしい。これでは生活できない。しかし、ユーロ離脱となれば、もっと厳しい状況に陥るだろう。
●すでに、NY上場の銀行株は暴落!!
7月6日、MSCIの新興国インデックスからギリシャの株式市場は削除される。マーケットが再開した場合、大量のインデックスファンドの売り物を浴びる。
すでに、取引が可能なアメリカ市場上場のギリシャ株式は急落している。関係者によると、ギリシャ株式はいずれ「3分の1、5分の1になる」という。
格付け会社のフィッチはアルファ、ナショナル、ピレウス、ユーロバンクのギリシャ4大銀行の格付けを「RD(一部債務不履行)」に引き下げている。実質、破綻の状況に近い。だが、これは前哨戦にすぎないと思う。
ギリシャの銀行の資金繰り(大量の資金流出)は悪化が著しい。いや、そもそも銀行にカネはない。ECBの特別融資ELA(緊急流動性支援策)に頼っている。
チプラス政権の出方次第によってはELAが打ち切られる可能性だってあろう。
●最悪、国民の富は20分の1に?
これは最悪シナリオだが、ギリシャの銀行は資金繰りが行き詰まり、次々に破綻に追い込まれる。
それに、国民投票の結果がどっちに転んでもギリシャは混乱する。すなわち、緊縮財政に反対のケースではEU側は態度を硬化させるだろう。
一方、賛成派が多数を占めた場合はチプラス政権が崩壊(首相は退陣を示唆)、総選挙となる。
ともあれ、当面はギリシャ情勢に一喜一憂する展開が続きそうだが、あとはギリシャ国民の良識に任せるしかないのではないか。
いずれにせよ、ギリシャがユーロ離脱、旧通貨ドラクマに戻るとなると、通貨暴落、ハイパーインフレ、株式市場の混乱、企業倒産の激増などがあって、国民の富は95%が失われるという。
●EUサイドはセーフティネットを構築!
反面、EUサイドは無傷とは言えないが、ECBのOMT(ユーロ圏加盟国が域内の金融支援基金のESMの信用枠を獲得すれば、ECBが当該国の残存1~3年の国債を上限なしに購入できる措置)などセーフティネットを構築している。スペイン、イタリアはこれが使える。
ヨーロッパの金融市場が恐慌的な状況を回避、比較的落ち着いているのはこの効果との見方ができる。もちろん、ドンデン返しでの“決着”の可能性が残されている。
一方、日本の株式市場はどうか。当初は狼狽売りがみられたが、ここにきて平静さを取り戻しつつある。外国人、個人は下値を積極的に買っている。
何を狙うか。PBR0.7~0.8倍、配当利回り3%前後の双日 <2768> 、みずほFG <8411> はどうか。
富フロンテク <6945> [東証2]には海外カード対応のATMの“特需”がある。インバウンド関連である。
2015年7月1日 記
株探ニュース
●チプラス政権はあまりにも無責任!
相変わらず、ギリシャに振り回されている。チプラス政権による突然の支援協議打ち切り、緊縮財政の是非を問う国民投票の実施(7月5日)は政権遂行義務を放棄したとの見方ができる。
この局面において、国民に“丸投げ”(判断を国民に委ねる)はあまりにも無責任である。政治家の資質に欠ける。まさに、かわいそうなのはこの子(国民)でござる!といった状況ではないか。
もっとも、こんな大衆迎合のチプラス政権を選んだのはその国民だが……。
すでに、国民生活は破綻寸前である。銀行に加え、証券取引所は休業(1週間の予定)となっている。銀行の休業は大量の資金流出に備えたもの。
資本規制も実施されている。ATMによる預金の引き出しは1日60ユーロ(約8000円)に制限されている。それに、ATMの4割はカラッポらしい。これでは生活できない。しかし、ユーロ離脱となれば、もっと厳しい状況に陥るだろう。
●すでに、NY上場の銀行株は暴落!!
7月6日、MSCIの新興国インデックスからギリシャの株式市場は削除される。マーケットが再開した場合、大量のインデックスファンドの売り物を浴びる。
すでに、取引が可能なアメリカ市場上場のギリシャ株式は急落している。関係者によると、ギリシャ株式はいずれ「3分の1、5分の1になる」という。
格付け会社のフィッチはアルファ、ナショナル、ピレウス、ユーロバンクのギリシャ4大銀行の格付けを「RD(一部債務不履行)」に引き下げている。実質、破綻の状況に近い。だが、これは前哨戦にすぎないと思う。
ギリシャの銀行の資金繰り(大量の資金流出)は悪化が著しい。いや、そもそも銀行にカネはない。ECBの特別融資ELA(緊急流動性支援策)に頼っている。
チプラス政権の出方次第によってはELAが打ち切られる可能性だってあろう。
●最悪、国民の富は20分の1に?
これは最悪シナリオだが、ギリシャの銀行は資金繰りが行き詰まり、次々に破綻に追い込まれる。
それに、国民投票の結果がどっちに転んでもギリシャは混乱する。すなわち、緊縮財政に反対のケースではEU側は態度を硬化させるだろう。
一方、賛成派が多数を占めた場合はチプラス政権が崩壊(首相は退陣を示唆)、総選挙となる。
ともあれ、当面はギリシャ情勢に一喜一憂する展開が続きそうだが、あとはギリシャ国民の良識に任せるしかないのではないか。
いずれにせよ、ギリシャがユーロ離脱、旧通貨ドラクマに戻るとなると、通貨暴落、ハイパーインフレ、株式市場の混乱、企業倒産の激増などがあって、国民の富は95%が失われるという。
●EUサイドはセーフティネットを構築!
反面、EUサイドは無傷とは言えないが、ECBのOMT(ユーロ圏加盟国が域内の金融支援基金のESMの信用枠を獲得すれば、ECBが当該国の残存1~3年の国債を上限なしに購入できる措置)などセーフティネットを構築している。スペイン、イタリアはこれが使える。
ヨーロッパの金融市場が恐慌的な状況を回避、比較的落ち着いているのはこの効果との見方ができる。もちろん、ドンデン返しでの“決着”の可能性が残されている。
一方、日本の株式市場はどうか。当初は狼狽売りがみられたが、ここにきて平静さを取り戻しつつある。外国人、個人は下値を積極的に買っている。
何を狙うか。PBR0.7~0.8倍、配当利回り3%前後の双日 <2768> 、みずほFG <8411> はどうか。
富フロンテク <6945> [東証2]には海外カード対応のATMの“特需”がある。インバウンド関連である。
2015年7月1日 記
株探ニュース