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【市況】新興市場見通し:市場の落ち着きとともに上値を試す展開か、IPOは3社上場


先週の新興市場は、外部環境の不透明感から値動きの荒い展開となった。週初はギリシャの債務不履行に対する懸念の高まりから相場の地合いが悪化し、新興市場でもリスク回避の売りが膨らんだ。その後、米国株や日経平均の持ち直しに加え、内需関連中心の中小型株に物色が向かったことから、週半ばには強いリバウンドを見せた。ただ、2日の米雇用統計の発表や、5日のギリシャ国民投票を控え、週末にかけて目先の利益確定の動きが強まった。結局、週間の騰落率は、日経平均が-0.8%であったのに対して、マザーズ指数は-0.3%、日経ジャスダック平均は+0.5%とまちまち。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で3.1%高とプラスを維持したものの、サイバーダイン<7779>は同3.2%安となった。そーせいグループ<4565>が同4.6%安となるなどバイオ株はやや軟調だった一方、サイバーセキュリティ関連には断続的に物色が向かい、FFRI<3692>は同4.3%高となった。ITbook<3742>は同11.7%高となったが、短期リバウンドの域を出ないとも言える。ジャスダック主力は、ガンホー<3765>が同0.6%安、日本マイクロニクス<6871>が同8.7%安、クルーズ<2138>が同12.0%安となる一方、ガーラ<4777>がリバウンドを見せ同16.9%高となった。個別材料を手掛かりにした中小型株物色が引き続き活発で、フォーバル・リアルストレート<9423>、アイ・ピー・エス<4335>、テリロジー<3356>などの上昇が目立った。マザーズでも、キャラクター「ムーミン」のテーマパークを17年にもオープンすると発表したフィンテック グローバル<8789>が注目を集め大幅高となった。IPOでは、6月29日にナガオカ<6239>がジャスダックへ新規上場した。公開規模が小さく、IPO人気の高まりを追い風に堅調な初値形成となった。

今週の新興市場は、5日に実施されるギリシャ国民投票の結果が波乱要因となるものの、市場が落ち着きを見せるにつれ改めて上値を試す展開となることが想定される。前週末のマザーズ指数は手仕舞い売りに押されながらも節目の1000ptで下げ渋り、底堅さを見せた。短期資金中心で値動きの荒さもあるものの、個人投資家の中小型株への物色意欲は依然旺盛と言える。

ロボット、IoTなどの活用に向けた政策や企業の具体的な取り組み、エネルギー政策を巡る議論などが伝わっており、関連銘柄に注目していきたい。また、今週は7日にメディアドゥ<3678>、SHIFT<3697>、8日にファーストコーポレーション<1430>、9日にファーストブラザーズ<3454>、エヌ・ピー・シー<6255>、10日にコシダカHD<2157>、ブロッコリー<2706>などが決算発表を予定している。今期業績観測が報じられたファーストコーポレーションが注目されるほか、堅調な不動産市況が追い風のファーストブラザーズ、インバウンド需要取り込みを図るコシダカHDなどで業績期待が高まりそうだ。

IPO関連では、7日に富士山マガジンサービス<3138>(マザーズ)、8日にクレステック<7812>(ジャスダック)、10日に平山<7781>(ジャスダック)が新規上場する。6月は市場予想を上回る好初値が相次いだだけに、勢いが継続するか注目される。なお、先週はPCI HD<3918>(8月4日、マザーズ)、エスケーホーム<1431>(8月5日、福証Q-Board)の新規上場が発表されている。

《TN》

 提供:フィスコ

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