【市況】【杉村富生の短期相場観測】
「個別物色機運は極めて旺盛だぞッ!」
●基本的に強気姿勢を堅持!
全般相場はやや高値波乱の様相となっている。まあ、12連騰(10連騰以上はバブル崩壊以降、初めてのこと)のあとだけに、多少の調整はやむを得ない。しかし、基本的に強気である。
ここは絶好の押し目買いチャンス(仕込みの好機)となろう。
それに、個別物色機運は極めて旺盛である。買い気は衰えていない。双日 <2768> は抜群に強いし、新型ウイルス関連のエアーテック <6291> 、ダルトン <7432> [JQ]、アゼアス <3161> [東証2]が急騰している。
双日の2016年3月期の1株利益は32円、1株純資産は440円と予想されている。配当は2円増の年8円とする。
株価は大きく水準を切り上げてきたが、まだまだ出遅れが著しい。時価のPERは10倍前後、PBRは0.72倍にすぎない。配当利回りは2.5%もある。
●配当利回り2.5~2.9%は魅力!
筆者は普通預金が5万円超ある人は株式に替えるべきだ、と主張している。双日はその有力なターゲットだろう。
これはみずほFG <8411> についてもいえる。2016年3月期の1株利益は26円、1株純資産は320円と予想されている。配当は年7円50銭を継続する。
株価は260円絡み。この水準のPERは10倍ちょっと、PBRは0.82倍と出遅れている。
やはり、配当利回りは2.8%強と高い。これは魅力ではないか。
超低金利時代は当分の間、続くだろう。ECBはQEに踏み切り、日銀は異次元の金融緩和を断行している。中国、インドは利下げ、そして利下げである。
ヨーロッパではマイナス金利がすっかり定着している。こうした状況下、配当利回り2.5~2.8%は高く評価できる。
東証1部のPBRは現在、1.45倍である。ROEの上昇につれて、このPBRは2016~2017年にかけて1.8倍まで上昇する、といわれている。
●長期的な視点では何ら不安なし!
その場合、PBR1倍割れの主軸銘柄は姿を消すだろう。
もちろん、バリュー株投資だけではなく、グロース株投資も有効と考えている。オークファン <3674> [東証M]、ビリングシス <3623> [東証M]、アドベンチャ <6030> [東証M]、シンデンハイ <3131> [JQ]、DWTI <4576> [JQG]などはじっくり狙える。
一方、全般相場については短期的な視点と長期的な視点を分けて判断する必要がある。
短期的にはマーケットは休養を欲しがっている。6月12日のメジャーSQ、7月のボルカー・ルールの導入には注意を要すると思う。
しかし、長期的には何らの不安もない。再三指摘しているように、日本の株式市場には強烈な“追い風”が吹いている。
●TOPIXは金融危機前の高値に届かず!
すなわち、(1)政策対応の効果、(2)投資価値の向上、(3)需給の好転、(4)出遅れ感の存在――である。
アベノミクスは日本再生→失われた20年の克服を目指し、異次元の金融緩和はデフレ脱却→円高阻止を狙ったもの。その目的は達成されつつある。
投資価値の向上についてはROEが上昇し、増配・自社株買いが相次いでいる。M&A、設備投資も活発化している。この背景にはスチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードの導入があろう。
GPIFを中心に、公的年金のほか、国内富裕層の参戦など新たな買い手の出現に加え、外国人は強気である。これが需給を好転させている。
出遅れという視点ではTOPIXはいまだに金融危機前の高値(1816ポイント)を抜いていないし、東証1部の時価総額はやっとバブル時の水準を上回ったばかり。NY市場の時価総額はこの25年間に7倍になり、いまや3000兆円に迫っている。東証1部の5倍である。
2015年6月3日 記
(「チャートブック日足集」No.1573より転載)
株探ニュース
●基本的に強気姿勢を堅持!
全般相場はやや高値波乱の様相となっている。まあ、12連騰(10連騰以上はバブル崩壊以降、初めてのこと)のあとだけに、多少の調整はやむを得ない。しかし、基本的に強気である。
ここは絶好の押し目買いチャンス(仕込みの好機)となろう。
それに、個別物色機運は極めて旺盛である。買い気は衰えていない。双日 <2768> は抜群に強いし、新型ウイルス関連のエアーテック <6291> 、ダルトン <7432> [JQ]、アゼアス <3161> [東証2]が急騰している。
双日の2016年3月期の1株利益は32円、1株純資産は440円と予想されている。配当は2円増の年8円とする。
株価は大きく水準を切り上げてきたが、まだまだ出遅れが著しい。時価のPERは10倍前後、PBRは0.72倍にすぎない。配当利回りは2.5%もある。
●配当利回り2.5~2.9%は魅力!
筆者は普通預金が5万円超ある人は株式に替えるべきだ、と主張している。双日はその有力なターゲットだろう。
これはみずほFG <8411> についてもいえる。2016年3月期の1株利益は26円、1株純資産は320円と予想されている。配当は年7円50銭を継続する。
株価は260円絡み。この水準のPERは10倍ちょっと、PBRは0.82倍と出遅れている。
やはり、配当利回りは2.8%強と高い。これは魅力ではないか。
超低金利時代は当分の間、続くだろう。ECBはQEに踏み切り、日銀は異次元の金融緩和を断行している。中国、インドは利下げ、そして利下げである。
ヨーロッパではマイナス金利がすっかり定着している。こうした状況下、配当利回り2.5~2.8%は高く評価できる。
東証1部のPBRは現在、1.45倍である。ROEの上昇につれて、このPBRは2016~2017年にかけて1.8倍まで上昇する、といわれている。
●長期的な視点では何ら不安なし!
その場合、PBR1倍割れの主軸銘柄は姿を消すだろう。
もちろん、バリュー株投資だけではなく、グロース株投資も有効と考えている。オークファン <3674> [東証M]、ビリングシス <3623> [東証M]、アドベンチャ <6030> [東証M]、シンデンハイ <3131> [JQ]、DWTI <4576> [JQG]などはじっくり狙える。
一方、全般相場については短期的な視点と長期的な視点を分けて判断する必要がある。
短期的にはマーケットは休養を欲しがっている。6月12日のメジャーSQ、7月のボルカー・ルールの導入には注意を要すると思う。
しかし、長期的には何らの不安もない。再三指摘しているように、日本の株式市場には強烈な“追い風”が吹いている。
●TOPIXは金融危機前の高値に届かず!
すなわち、(1)政策対応の効果、(2)投資価値の向上、(3)需給の好転、(4)出遅れ感の存在――である。
アベノミクスは日本再生→失われた20年の克服を目指し、異次元の金融緩和はデフレ脱却→円高阻止を狙ったもの。その目的は達成されつつある。
投資価値の向上についてはROEが上昇し、増配・自社株買いが相次いでいる。M&A、設備投資も活発化している。この背景にはスチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードの導入があろう。
GPIFを中心に、公的年金のほか、国内富裕層の参戦など新たな買い手の出現に加え、外国人は強気である。これが需給を好転させている。
出遅れという視点ではTOPIXはいまだに金融危機前の高値(1816ポイント)を抜いていないし、東証1部の時価総額はやっとバブル時の水準を上回ったばかり。NY市場の時価総額はこの25年間に7倍になり、いまや3000兆円に迫っている。東証1部の5倍である。
2015年6月3日 記
(「チャートブック日足集」No.1573より転載)
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