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【市況】為替週間見通し:ドル強含みか、新年度入りで外貨建て投資増額の思惑


■ドル・円弱含み、2月米耐久財受注の減少などが嫌気される

先週のドル・円は弱含み、120円台前半から一時118円33銭までドル安・円高に振れる場面があった。2月の米耐久財受注が予想外の減少を記録し、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ開始時期は9月以降になるとの思惑が広がったことでドル売りが優勢となった。3月期末に向けた本邦機関投資家のリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)が活発化したことも、ドル反発を抑える要因となった。取引レンジは118円33銭-120円17銭。

■ドル・円は強含みか、4月新年度入りで外貨建て投資増額の思惑

今週のドル・円は強含みか。4月新年度入りに伴い、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や民間機関投資家による外貨建て資産への投資増額の思惑が高まることがドル買いを促す要因となりそうだ。4月3日に発表される3月の米雇用統計が予想を上回る改善を示した場合、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が再浮上し、ドル買いを促す要因となるので注意したい。

ただし、3月の米雇用統計が予想に反して悪化した場合や米国議会で環太平洋経済連携協定(TPP)に為替条項を盛り込む可能性が高くなった場合は、ドル売りが優勢となる可能性がある。また、中東地域における地政学的リスクの増大やギリシャの債務不履行に対する懸念が消えていないこともドル安を招く要因となる。予想レンジは118円00銭-121円00銭。

■2月の米個人消費支出(PCE)価格コア指数(30日)

FRBがインフレ指標として注視している2月の個人消費支出(PCE)価格コア指数は、前年比+1.3%と予想されており、1月の+1.3%と同水準になると見込まれている。イエレンFRB議長は、エネルギー価格の下落を受けたインフレ率の低迷は一時的であると指摘しているが、インフレ目標の+2.0%には程遠い状況が続くことになる。

■3月の米雇用統計(4月3日)

3月失業率は5.5%と予想されており、2月の5.5%と同じ水準になるとみられる。非農業部門雇用者数は、前月比+25.0万人と予想されており、雇用者数は2月実績の+29.5万人を下回る見込み。予想通りであればドル相場に対する支援材料となりそうだが、賃金上昇率、労働参加率などの項目も点検が必要となる。

■米国議会と安倍政権のドル高・円安抑制

米国議会では、ドル高への警戒感が高まっており、通貨安による損害賠償請求、環太平洋経済連携協定(TPP)に為替条項を盛り込む動きが警戒されている。安倍政権は、TPP交渉が難航していること、統一地方選挙への配慮から、ドル高・円安を抑制するスタンスを強めている。

《TN》

 提供:フィスコ

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