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【市況】新興市場見通し:全体ではこう着感が意識され、短期物色中心の展開続く


先週の新興市場は、日経平均が高値警戒感も意識される一方、先高期待の強さから週末には19000円に迫る動きを見せるなか、相対的に低調に推移した。欧米株安を受けて日経平均が反落した4日には、新興市場でも利益確定売りが広がった。ただ、マザーズ指数が860ptを割り込む場面では積極的な押し目買いが入った。週間の騰落率は、日経平均が+0.9%であったのに対して、マザーズ指数は-1.0%、日経ジャスダック平均は-0.0%だった。

個別では、前週上場のシリコンスタジオ<3907>が引き続き新興市場売買代金1位。上値追いの展開で短期資金の流入を誘った。その他マザーズ主力では、ミクシィ<2121>が週間で2.0%高、オンコセラピー・サイエンス<4564>が同3.4%高となる一方、サイバーダイン<7779>が同1.7%安、FFRI<3692>が同4.8%安とまちまち。ジャスダックでは、日本通信<9424>が同7.3%高だが、ガンホー<3765>が同0.5%安、日本マイクロニクス<6871>が同5.8%安となった。委任状争奪戦で注目される大塚家具<8186>は、週前半まで急騰が続いたものの、その後利益確定売りに押され週間ではマイナスに。その他、マザーズではリアルワールド<3691>やスノーピーク<7816>、ジャスダックではヤマザキ<6147>、ジェイテック<2479>、日本テレホン<9425>、日本エマージェンシーアシスタンス<6063>、ノジマ<7419>、アサカ理研<5724>などの上昇が目立った。特定のテーマに沿った銘柄よりも、個別材料のあった銘柄に物色が向かった。一方、fonfun<2323>、セーラー広告<2156>、やまねメディカル<2144>など前週に大幅高となった銘柄は利益確定売りが優勢できつい下げに。アクロディア<3823>など中小型ゲーム関連株も調整が続いている。

今週の新興市場は、マザーズ指数の25日線レベルでの上値の重さと、860pt割れ水準での押し目買い意欲の強さが意識され、全体としてはこう着感の強い展開となることが想定される。材料株などへの短期の値幅取り狙いの物色が中心となるだろう。ただ、日経平均が19000円を回復して目先達成感や高値警戒感が広がれば、相対的に出遅れ感のある中小型株に物色が向かう可能性もある。

個別では、いったん物色の一服していた大塚家具だが、大塚久美子社長を中心とする会社側の掲げた15年12月期配当予想80円に対抗し、大塚勝久会長は2017年12月期まで120円配継続という企業価値向上策を発表。短期的な物色材料として注目されそうだが、持続性のある計画か見極めは必要だろう。また、日本通信は12日にVAIOスマートフォンの発表を予定している。株価は堅調に推移しており、ポジティブサプライズが期待されるところだが、材料出尽くしとなる可能性も。その他、9日(米国時間)の米アップルによるイベント、14日の北陸新幹線開業などに注目したい。

今週は、12日に菊池製作所<3444>、テックファーム<3625>、13日にファーマフーズ<2929>、モルフォ<3653>、フリービット<3843>、ACCESS<4813>、スリー・ディー・マトリックス<7777>、日本テレホン<9425>などの決算発表が予定されている。また、IPO関連では、Aiming<3911>、ハウスドゥ<3457>など7社のブックビルディングが新たに開始される。なお、先週はサンバイオ<4592>(4/8・マザーズ)の新規上場が発表された。

《TN》

 提供:フィスコ

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