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【市況】為替週間見通し:日本GDP、消費増税延期や衆院解散総選挙観測に要注目


■ドル・円上昇、消費増税延期・衆院解散総選挙の可能性で

先週のドル・円は強含み、113円86銭から一時116円82銭まで上昇した。消費増税延期、衆院解散総選挙の可能性が高まったことが要因。日経平均株価の大幅高も好感された。米国の景況感回復を受けて、米国連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測が高まったことも、ドル買い要因となった。先週の取引レンジは113円86銭-116円82銭。

■日本の7-9月期GDP、消費増税延期・衆院解散総選挙観測に要注目

今週のドル・円は、17日に発表される日本の7-9月期国内総生産(GDP)速報値を受けて、消費増税先送り、衆院解散総選挙が決定される見込みとなった。消費増税の先送りは株高につながる可能性があり、ドルは対円で強含みとなる展開が予想される。

リスク要因は、イスラム国を空爆している有志連合国でのテロの可能性、エボラ出血熱の感染拡大懸念、地政学的リスク(ウクライナ情勢、中東情勢)の緊迫化などが想定される。ただし、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額(23%⇒40%)への期待は高いだけに、ドルの下値は依然として限定的であると予想される。

■日本7-9月期GDP速報値(17日)

日本の7-9月期の国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率+2.2%と(最低:+0.8%、最高:+3.0%)と予想されている。安倍首相は、速報値の数字が低迷していた場合、消費増税延期を大義名分とする衆院解散総選挙を決断する可能性が高まっている。

消費増税が2015年10月から先送りされる可能性を受けて、安倍トレード(日本株買い・円売り)第2幕への期待感から、日本株買い、円売り圧力が強まる可能性が高まることになる。

■日本銀行金融政策決定会合(18-19日)

黒田日銀総裁は、「2回の消費増税を前提に政策決定している」と述べており、10月31日の追加緩和(黒田バズーカ砲第2弾)は、2015年10月の消費増税10%が前提であることを表明した。安倍首相が2015年10月に予定されている消費増税の延期を決定した場合は、黒田バズーカ砲第3弾の可能性は低下することになる。

■連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(19日)
10月28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、量的緩和第3弾(QE3)の終了が決定され、雇用情勢及びインフレ情勢に対する悲観的な見方が後退していた。FOMC議事録要旨では、利上げまでの「相当の期間」というフォワードガイダンス(将来の金融政策指針)の変更、削除の可能性を見極めることになる。

主な発表予定は、18日(火):(米)10月生産者物価指数、(米)9月対米証券投資(ネット長期TICフロー)、19日(水):(日)日銀金融政策決定会合の結果判明、(米)米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表、20日(木):(日)10月貿易収支、(米)10月中古住宅販売件数、(米)10月景気先行指数。

予想レンジ:115円00銭-120円00銭

《TN》

 提供:フィスコ

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