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【市況】【北浜流一郎の新興市場展望】


「地味でも魅力的な銘柄を発掘」

●敏腕デイトレの手法にヒント

 東証1部市場の活況と上昇ぶりに比べると、残念ながら新興市場はかなり精彩を欠く。やはりサイバーエージェントや楽天などのスター株が1部に昇格してしまい、話題性のある銘柄が少なくなってしまったことが響いている。

 もちろん日本通信 <9424> [JQ]、ユーグレナ <2931> [東証M]、スターバクス <2712> [JQ]、マクドナルド <2702> [JQ]、ガンホー <3765> [JQ]など知名度の高い銘柄もある。

 しかし、これくらいでは新興市場に投資家を一斉に引き寄せるほどのパワーはない。一時スター株だったガンホー株が、長期低迷を続けてしまっているのも、いまや重荷だ。

 ただ、このような局面でしっかり利益を出している投資家もいる。先日私は、デイトレーダーたちの集まりに出席する機会があった。そこで数人の敏腕トレーダーたちの話を聞いたが、彼らはミクシィ <2121> [東証M]、DWセラピ研 <4576> [JQG]などで利益を得ているとのことだった。

 「これらは値動きが早く、しかも上下動が激しくて手がけにくいんじゃないの?」。私が問うと、「先生、それだから儲かるんです」との返事が返ってきた。そんな激しい値動きの銘柄で、どうやって利益を得ているのか。

 「反落したところを小刻みに買い、下値で株を買い集める感じですね。そして反発しはじめたら、すぐにそれをまた小刻みに売っていきます」。こうしているとのことだった。

 つまり、人気株で値動きが激しい銘柄は急落もするので、そこで待ち構えていて、100株単位銘柄なら、底値と思われる水準で、100株、200株、300株、そしてまた100株という具合に小まめに買い増すのだ。そして株を貯め込み、反発を待つ。

 人気株の場合、急落したら、大抵一時的な反発はあるので、そこでそれまで貯め込んだ株を200株、100株、300株という具合に手放してしまう。

●イナゴ投資家の集まらぬ銘柄を

 日々、これを繰り返しているとのことだった。このような売買のよいところは、下値での買いに神経質にならなくて済むこと。一発決め打ちとなると、どうしても必ず反発すると思えるところで買わなくてはならず、買いにくい。

 ところが数回に分けて、底値と思える近辺で買い込むやり方なら、買いが実行しやすくなる。つまり、一発決め打ちではなく、数回に分けて小まめに買っていく。これがポイントであり、特に変わったやり方ではないものの、実際に成果を上げ続けているトレーダーから聞いたことなので、参考になれば幸いだ。

 ただ、そんな買い方をしても、そこから必ず反発するとは限らない。さらにもっと大きく下げてしまうこともあるため、その場合は潔く撤退。これも実行できなくてはならない。

 ところで、イナゴ投資家という用語をお聞きになったことがあるだろうか。イナゴは一斉に繁殖し、草原や畑を襲って草木や野菜を食べ尽くし、次の場所へ一斉に飛び立ってしまうとされている。

 最近の東京市場では、こんなふうにある銘柄に一斉に買いを入れ、上がるとサッと利食って次の銘柄に移ってしまう。こんな投資家が増えていて、彼らのことを「イナゴ投資家」と呼ぶのだ。

 イナゴ投資家が去った後、株価はなかなか戻らない。こうなるため、これからはイナゴ投資家が集りにくい銘柄への投資が好ましいことになる。

 それは地味な銘柄になり、コイル用自動巻線機最大手の日特エンジ <6145> [JQ]、棚卸代行に強いエイジス <4659> [JQ]、中古車情報誌発行のプロト <4298> [JQ]、中古厨房機器リサイクル最大手のテンポス <2751> [JQ]、広告・看板向けインクジェットプリンタで世界首位級のミマキエンジ <6638> [JQ]などが魅力的だ。

2014年9月19日 記

(月刊「チャートブック新興+2部」No.229より転載 )
(「株探」編集部)

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