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【市況】為替週間見通し:ドル・円は強含みか、日米金融政策への期待感


■ドル・円強含み、日本銀行の追加緩和観測と米国景況感の改善で

先週のドル・円は強含み、101円42銭から102円57銭まで上昇した。日本政府は4月の月例経済報告で景気の基調判断を下方修正した。これを受けて4月30日の日銀金融政策決定会合で追加緩和が実施されるとの観測が広がり、ドルは101円42銭から102円57銭まで上昇した。

ウクライナ情勢の緊張度がやや低下し、米国株が反発したことが好感されたが、3月の米小売売上高が予想を上回ったことや中国の1-3月期国内総生産(GDP)が前年比+7.4%だったことも、ドル買い・円売り要因となった。先週の取引レンジは、101円42銭から102円57銭となった。

■日米金融政策への期待感から、ドル・円強含み予想

今週のドル・円は下げ渋る見込み。4月29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)で100億ドル規模の量的緩和縮小の継続が見込まれているが、4月30日の日銀金融政策決定会合で追加緩和が実施されるとの思惑が浮上している。日銀による早期追加緩和への期待が持続した場合、ドルは下げ渋る展開が予想される。

■日米金利差拡大観測

29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、米国の景況感が改善しつつあることで、100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)継続が予想されている。30日の日銀金融政策決定会合で追加緩和観測が浮上している。日米金利差の拡大観測の台頭でドル・円は下げ渋る展開が予想される。

■日・3月貿易収支(21日)

日本の3月貿易赤字は、1兆円を上回る見込みとなっており、2月の-8025億円からの赤字幅の拡大が見込まれている。3月の貿易赤字が大幅に拡大した場合、3月経常収支が経常赤字となる可能性があり、2013年度の経常収支も赤字となる可能性がある。

■日・3月消費者物価指数(25日)

3月の全国消費者物価指数は、前年比+1.6%と予想されており、2月の+1.5%から上昇する。3月のコア消費者物価指数は、前年比+1.4%と予想され、2月の+1.3%からの上昇が見込まれている。日本のインフレ率の上昇は、円売り要因となる。

■ウクライナ情勢

4月17日に開催されたウクライナ、欧州連合(EU)、米国、ロシアによる4者協議では、ウクライナの騒乱の沈静化に向けた対策に着手することで合意された。しかしながら、5月25日のウクライナ大統領選挙に向けて、ウクライナ東南部のロシア系住民によるロシア編入を求める住民投票を要請する声が高まりつつあることで、依然として予断を許さない状況が続く。オバマ米政権が「OFAC規制」を発動し、ロシアの国家及び金融機関の資産凍結を強行した場合、ロシアも米国債の売却や天然ガス供給停止などを警告している。

■本邦機関投資家の外貨建て資産投資

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額計画を受けて、本邦機関投資家による新規の外貨建て資産への投資増額が期待されており、円売り要因となる。

主な発表予定は、21日(月):(米)3月景気先行指数、(米)3月シカゴ連銀全米活動指数、24日(木):(米)3月耐久財受注。


[予想レンジ]
ドル・円100円00銭-105円00銭

《TN》

 提供:フィスコ

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