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【経済】海水が燃料になる日


米海軍の科学者が海水を燃料に変える技術の開発に成功した。
科学者らは海水から二酸化炭素と水素を抽出する方法を開発した。海水中の二酸化炭素濃度は空気中の約140倍に達し、海水から抽出した二酸化炭素と水素は触媒式排出ガス浄化装置によって液体にされる過程で燃料に変化する。この液体炭化水素燃料はディーゼルオイルとほとんど変わらないものだという。
米海軍研究試験所によれば、新しい燃料の製造には、1ガロン(約3.8リットル)当たり3~6ドルほどのコストがかかったとされている。同試験所はすでに2ストローク内燃エンジンを搭載したP-51戦闘機の模型飛行機の飛行実験を成功させている。
米海軍が所有する艦船は、ほとんどが石油系燃料に頼っている。
この液体炭化水素燃料の開発によって米軍は、石油系燃料への依存を軽減できるようになるかもしれない。今後生産効率を改善させ大量生産できるようになれば、石油不足や石油価格の変動に左右されることもなく、軍艦独自に燃料を作り出すことができるのだから、いつでもどこでも燃料補給することができるようになる。
技術の利点は、船舶や航空機の従来のエンジンで利用できることにあり、今後10年ほどで米軍艦が艦内で燃料を生産し航行できるようになる見通しだというが、もし本当に実現できれば、他の分野への応用を含め、新たなエネルギー源としてその技術が注目されそうだ。

《YU》

 提供:フィスコ

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