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【経済】NYの視点:来週はECBと中国の緩和を睨んだ展開に


3月25日付けのシカゴIMM、投機・投資家筋のポジションで円の売り持ち高は前週の年初来最低水準から増加した。

■来週のポイント

ロシア・ウクライナ危機の動向を睨みつつ欧州や中国の追加刺激策を期待した展開となる可能性がある。欧州中央銀行(ECB)定例理事会やその後のドラギECB総裁の会見に注目が集まる。

●欧州

3月31日:3月コアCPI(消費者物価指数):前年比+0.8%(2月+1.0%)
4月3日:欧州中央銀行(ECB):政策金利0.25%に据え置き

ブルームバーグ社が55の機関のエコノミストを対象に実施した調査によると、今回の定例理事会において利下げを予定しているのは3機関にとどまった。ゴールドマンサックスは利下げと同時に預金金利の引き下げも予想している。定例理事会後の会見でドラギECB総裁が追加利下げを示唆するかどうかに焦点が集まる。

ユーロ圏の3月景況感は102.4と、市場予想の101.4を上回り2011年7月以来で最高となった。一方でドイツの3月消費者物価指数速報値は前年比+1.0%と、予想の+1.1%を下回り2月の+1.2%から低下し2010年6月来で最低となり欧州中央銀行(ECB)に利下げの圧力となった。

31日に発表される消費者物価指数の結果に注目が集まる。

●米国

4月1日:3月ISM製造業景況指数:予想54.0(2月53.2)
4月2日:3月ADP雇用統計:予想前月比+19万人(2月+13.9万人)
4月3日:2月貿易収支:予想-385億ドル(1月-391億ドル)
4月4日:3月雇用統計:予想:失業率6.6%(2月6.7%)、非農業部門雇用者数:前月比+20万人(17.5万人)

企業の設備投資や消費が弱く、金融機関は1-3月期米国経済の成長見通しを軒並み下方修正した。しかし、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの成長期待は強く、2014年度のFOMCメンバーではないがブラード・セントルイス連銀総裁は2015年の1-3月期にも利上げを開始すべきだと主張している。早期利上げ観測を受けたドル買いに下値は支えられる可能性がある。

●ウクライナ情勢

米国高官は、モスクワが主要な侵略の準備をしていると警戒姿勢を強めている。米情報機関がブーチン・ロシア大統領の真の意向が読めず、米国の脅威をあおっているという。

●中国

3月31日:3月製造業PMI:50.1(2月50.2)
3月31日:3月HSBC中国製造業PMI:48.1(2月48.1)
4月2日:3月非製造業PMI(2月55.0)

3月製造業PMIは50.1と昨年6月以来で最低、活動の拡大と縮小の境目となる50手前まで低下が予想されている。中国経済の成長鈍化が警戒されているが、中国人民銀行が景気底入れを目指す緩和策を講じるとの思惑や中国政府が追加刺激策を導入するとの思惑がひろがっており、行方に注目が集まる。

*日本円
ネット・円売り持ち:-68,887(3/25)←円売り持ち:-61,099(3/18)(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)

*ユーロ
ネット・ユーロ買い持ち:+39,634(3/25)←ユーロ買い持ち:+52,991(3/18)(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)

*ポンド
ネット・ポンド買い持ち:+29,724(3/25)←ポンド買い持ち:+25,536(3/18)(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)

*スイスフラン
ネット・スイスフラン買い持ち:+14,819(3/25)←スイスフラン買い持ち:+15,116(3/18)(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)

*加ドル
ネット・加ドル売り持ち:-33,215(3/25)←加ドル売り持ち:-69,805(3/18)(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)

*豪ドル
ネット・豪ドル売り持ち:-20,527(3/25)←豪ドル売り持ち:-24,463(3/18)

*NZドル
ネット・NZドル持ち:+18,213(3/25)←NZドル買い持ち:+15,751(3/18)

*メキシコペソ
ネット・ペソ売り持ち:-1,654(3/25)←ペソ売り持ち:-1,270(3/18)(直近買い持ち高最高:08年2/29+125,000)

《KO》

 提供:フィスコ

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