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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

出光興産 <日足> 「株探」多機能チャートより

■トヨタ自動車 <7203>  5,680円 (+213円、+3.9%)

 トヨタ自動車 <7203> 、富士重工業 <7270> が高い。ここ為替の円高基調に警戒が強まっており、前日は1ドル=107円台まで円高が進行したことで、輸出採算悪化懸念を背景に下値模索を余儀なくされていた。19日は一転、ドル買い円売りの動きが加速し1ドル=109円台まで円安方向に押し戻される展開となり、これに連動するかたちで株価も切り返しに転じた。トヨタは為替感応度が特に高く、対ドルで1円動くと営業利益ベースで年間400億円の影響が出るだけに、為替動向には神経質な動きとなりやすい。

■テレ東HD <9413>  1,989円 (+67円、+3.5%)

 18日、テレビ東京ホールディングス <9413> が子会社の月次業績を発表。3月のテレビ東京(単体)の売上高は前年同月比7.3%増の101億円に伸びたことが買い材料視された。内訳はタイム広告収入が同3.5%増、スポット広告収入は同6.7%増だった。このほか、BSジャパンは同11.5%増の13.8億円、テレビ東京コミュニケーションズは同15.6%増の4.7億円と好調だった。なお、テレビ東京の15年度累計(15年4月-16年3月)の売上高は前年同期比4.7%増の1081億円となった。

■野村不HD <3231>  2,066円 (+69円、+3.5%)

 野村不動産ホールディングス <3231> が反発。27~28日にかけて行われる日銀金融政策決定会合では追加緩和期待が浮上しており、マンション開発、分譲やオフィス賃貸などに展開する同社にとっては株価上昇期待につながる。「野村証券を経由した売買仲介の取扱高が急増しており、証券会社とのビジネス連携は業界他社にはない強み」(国内中堅証券)と指摘されている。配当利回りが2.7%弱と高い点もポジティブ材料となっている。

■出光興産 <5019>  2,123円 (+69円、+3.4%)

 出光興産 <5019> が続伸。同社は18日取引終了後、クウェート国際石油(KPI)とともに、ベトナム国内での燃料油販売を目的とした合弁会社「Idemitsu Q8 Petroleum Limited Liability Company」について設立申請したことを発表しており、これが株価を刺激している。出資比率は出光興産とKPIがそれぞれ50%ずつで、事業内容は石油製品の輸入、卸売・小売事業を行う。

■日東電工 <6988>  6,196円 (+189円、+3.2%)

 日東電工 <6988> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、17年3月期以降の為替前提を115円/ドル→110円/ドルへ変更することと、偏光フィルムやHDD用サスペンションの事業環境を従来想定よりも厳しく見直すことから、17年3月期の予想営業利益を1140億円から940億円へ下方修正している。同証券のリポートでは、偏光フィルム市場での価格下落は一時的・循環的な問題というよりも長期的・構造的な問題となるリスクがあり、しばらくはその見極めが必要と指摘。このため当面は強気スタンスは取りづらいと解説している。レーティングは「ニュートラル」を継続、目標株価は6400円から5800円へ引き下げている。

■日立化成 <4217>  1,948円 (+56円、+3.0%)

 日立化成 <4217> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、円高やLCD業界の不調はネガティブ要因ではあるものの、機能材料部門の主力は半導体材料とプリント配線板材料で、LCD業界への依存度は高くないと指摘。15年3月期まで収益低迷に苦しんでいた自動車関連製品も、16年3月期に入ってようやく回復トレンドが明確になってきたとの見方で、外部環境の悪化が懸念される化学セクターにあって17年3月期も相対的に堅調な業績が続くと予想。レーティング「オーバーウエイト」を継続、目標株価は2350円から2160円に引き下げている。

■住友化学 <4005>  493円 (+14円、+2.9%)

 住友化学 <4005> が反発。同社は19日、プランテーション向け農業関連資材の世界展開を本格化することを発表した。バナナやオイルパームなどの大規模農園向け農業関連資材事業を「プランテーション・ソリューション」事業として強化・拡充するもので、19日から米国マイアミで開催される国際バナナ展示会への出展を皮切りに、グローバルな事業展開を本格的に開始する。プランテーションは、熱帯、亜熱帯地域で単一作物を栽培する大規模農園で、効率的で環境負荷の少ない資材が求めらており、今回の事業を通じて水や肥料の管理、雑草や病害虫の防除、収穫などの作業の効率化や作物の生産性向上に貢献していく。

■東急不HD <3289>  766円 (+20円、+2.7%)

 クレディ・スイス証券の不動産セクターのリポートでは、日銀のマイナス金利の導入は不動産業界に追い風と指摘。リファイナンスによって金利コストが下落、返済期限が長期化するため、不動産デベロッパーの経営の安定性を高め、株価のリスクプレミアム低下要因になると解説。セクター判断「オーバーウエイト」と東急不動産ホールディングス <3289> のトップピック、東京建物 <8804> 、三井不動産 <8801> の買い推奨を継続している。

■国際石油開発帝石 <1605>  852.2円 (+22.1円、+2.7%)

 国際石油開発帝石 <1605> や石油資源開発 <1662> 、JXホールディングス <5020> など石油関連株が反発。17日に開催された産油国会合で増産凍結の合意ができず、原油需給改善への期待が後退した。この結果を受けた18日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物が前週末比0.58ドル安の1バレル39.78ドルと下落した。一時、失望売りから37.6ドル台まで下落する場面もあったが、売り一巡後は下げ渋った。産油国協議の決裂で原油価格の大幅下落も懸念されただけに、WTI価格が40ドル近辺で下げ渋ったことには、安心感も出ているようだ。

■丸紅 <8002>  580.8円 (+15円、+2.7%)

 丸紅 <8002> は3日ぶり反発。総合商社は資源価格下落の影響から収益面で逆風が強いが、同社も例外ではなく、18日取引終了後に16年3月期の連結業績予想の下方修正を発表した。営業利益を従来予想の1300億円から1200億円(前の期比25.3%減)へ、最終利益を1800億円から600億円(同43.2%減)へ大幅減額。最終利益は計画の3分の1に急減し増益予想から一転4割を超える減益となる。資源価格下落の影響でチリ銅事業やオーストラリア鉄鉱石事業での減損損失計上などが最終利益の押し下げ要因となっている。ただ、減損損失計上は事前に株価に織り込まれており、サプライズ的要素は乏しい。19日は全般相場がリスクオフの巻き戻しに転じていることもあって、同社株も悪材料出尽くしから売り方の買い戻しが優勢となった。

■カカクコム <2371>  2,140円 (+52円、+2.5%)

 野村証券の長期投資リポートでは、東証1部上場企業のうち16年度に「実質的10%超の経常増益」が予想されている企業は全体の17%と指摘。通期決算発表シーズン後にはもう一段減少しているとみて、目先の減益局面を念頭に置けば、希少性という観点からも「好業績銘柄」に対する投資ニーズは相応に強いと解説。好業績銘柄、中期純利益、リスク調整後ROEの観点から銘柄抽出を行い、3つ全てに合致したカカクコム <2371> を筆頭に、エムスリー <2413> 、日新製鋼 <5413> 、ディスコ <6146> 、商船三井 <9104> 、セコム <9735> 、ミスミグループ本社 <9962> をピックアップ。「七福神2016」として注目している。

※19日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。


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