【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ナノキャリア、アキュセラ、竹内製作所、三井不動産
ナノキャリア <日足> 「株探」多機能チャートより
ナノキャリア<4571>が急騰。薬物デリバリーシステムに強みを持つ創薬ベンチャーで、研究開発費先行で赤字体質ながら国内外で治験を複数有しており、新薬開発に期待が大きい。ミセル化ナノ粒子製剤による副作用の少ない抗がん剤開発を進めている。卵巣がん、非小細胞肺がん、乳がん、胃がんなどの適応症で普及している抗がん剤パクリタキセルでは、パクリタキセルミセル(NK―105)を日本化薬<4272>に導出済みで、同社で臨床試験を進め、現在フェーズ3段階にある。
■アキュセラ・インク <4589> 3,900円 +520 円 (+15.4%) 本日終値
アキュセラ<4589>が急騰。米国シアトルに本社を置くバイオベンチャーで、ドライ型加齢黄斑変性治療薬など眼疾患治療薬に特化した開発を進め、市場でも注目度が高い。「6月ごろに予定するドライ型加齢黄斑変性治療薬の米国フェーズ2b/3試験のトップラインデータ開示に注目が集まっており、この発表が株価に大きな影響を与えそうだ」(業界担当アナリスト)と指摘されている。同治療薬は、現在有力な治療法がない分野だけに潜在市場は大きいとみられ、将来性が期待されている。
■平田機工 <6258> 2,794円 +330 円 (+13.4%) 本日終値
平田機工<6258>が急反騰、ここ株価は調整含みにあったが目先動きが一変、25日移動平均線との下方カイ離を一気に解消し上昇トレンドを明示している。米アップルがiPhone表示装置として有機ELパネルを採用する方針にあることが伝えられるほか、韓国LGも数年間で1兆円規模の有機ELパネル増産投資を行う方向にあるなど、その周辺メーカーにとっても商機拡大が強く意識されている。そのなか、有機EL事業に注力する同社株も注目の的。有機ELディスプレー製造装置メーカー向けの真空チャンバーの受託製造が収益に貢献しており、関連有力株として再人気化の初動にある。
■竹内製作所 <6432> 1,692円 +108 円 (+6.8%) 本日終値
竹内製作所<6432>が6連騰。同社は小型建機メーカーで高シェアを誇る欧米輸出を軸に、全体売上高に占める海外売上高比率が98%を占める。4月新年度入りを境に急速に進行した外国為替市場での円高が重荷となっていたが、今週に入り円買いドル売りの動きが一服、円安方向に押し戻される為替相場に連動するかたちで同社株も底入れ反転モードとなっている。欧米向けの販売数量は増勢で17年2月期業績は増益基調を確保できるとの見方も出ている。
■イオンファンタジー <4343> 2,263円 +140 円 (+6.6%) 本日終値
イオンファンタジー<4343>が大幅続伸。同社は13日取引終了後に、17年2月期通期の連結業績予想を発表。営業利益見通しを30億5000万円(前期比11.0%増)としていることが好感されているようだ。売上高は650億円(同10.5%増)を予想している。今期は前16年2月期に営業黒字化した海外事業をさらに拡大していく方針。中国やフィリピン、インドネシアを中心に100店舗以上の出店を計画している。
■TSIホールディングス <3608> 734円 +45 円 (+6.5%) 本日終値
13日、TSIホールディングス <3608> が決算を発表。16年2月期の連結経常利益は前の期比1.3%減の25.9億円になったものの、続く17年2月期は前期比77.5%増の46億円に拡大する見通しとなったことが買い材料。今期は前期に実施した不採算のブランド見直しや店舗閉鎖の効果で、採算が大きく改善する。同時に、発行済み株式数(自社株を除く)の1.8%にあたる200万株(金額で16億円)を上限に自社株買いを実施すると発表。併せて、株主優待制度の拡充も発表。自社ECサイト割引券の贈呈枚数を増加するほか、長期保有株主を対象とした優待制度を導入する。
■日経レバ <1570> 11,620円 +690 円 (+6.3%) 本日終値
NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が大幅高で3連騰。全体相場に連動して一時1万1500円台まで上値を伸ばした。NF日経レバは日経平均株価の2倍の値動きを想定したボラティリティの高いETFで、足もと株式市場が先物を絡め急浮上するなか、先高期待が膨らみ、個人投資家の短期資金を呼び込んでいる。売買代金も高水準に膨らんでおり、10時30分前に1000億円を超え、330億円弱の売買代金で上場企業では1位のトヨタ自動車<7203>の3倍以上をこなす人気となっている。
■北海道電力 <9509> 990円 +56 円 (+6.0%) 本日終値
ゴールドマン・サックス証券の電力セクターのリポートでは、電力株全体が上昇するには単なる再稼働だけではなく原子力リスク軽減への期待が必要と指摘。原子力リスクを軽減・平準化する制度が徐々に整備されつつあるものの、原子炉の突然の停止に伴う経営リスクと、万が一の事故の場合の費用負担リスクは、今でも実質的に電力会社が相当部分を負担する仕組みのままと解説。これらのリスクが軽減される方向が見えれば、電力株にはポジティブとしながらも、軽減されないままの場合、資本市場は電力会社に対して厳しい見方を取らざるを得ず、結果として電力会社の資金調達条件に悪影響を与えると予想。個別では、北海道電力<9509>とJ―POWER<9513>の買い推奨を継続している。
■JR東海 <9022> 19,975円 +1,110 円 (+5.9%) 本日終値
JR東海<9022>が大幅反発。SMBC日興証券は、同社をJR3社内のトップピックとして位置付けるとのリポートをリリース。東海道新幹線の旅客収入については、JR各社に対して相対的に底堅い推移が期待されること、東海道新幹線の堅調な収入継続、リニアの建設受注進捗などによりリニアリスクが減退すること、などにより同社のバリュエーションは切り上がるとの見解を示している。投資評価を「2」(中立)から「1」(アウトパフォーム)へ格上げし、目標株価は2万3100円から2万4000円へ引き上げている。
■三井不動産 <8801> 2,782円 +153.5 円 (+5.8%) 本日終値
三井不動産<8801>、三菱地所<8802>、住友不動産<8830>など大手不動産株への買いが目立つ。市場では「前日の欧米株市場で金融関連株が大きく買い戻され全体相場上昇の原動力となっている。東京市場でもメガバンクの戻り足が勢いを増すなど、ここまで売り込まれていた銘柄にリターンリバーサルの動きが顕在化しており、その延長線上で不動産株にも出遅れ修正の買いが入ってきた」(国内準大手証券)と指摘される。三菱地所は14日付けの日本経済新聞が17年3月期の営業利益について前期推定比1割程度増加する見通しと報じ、買い人気を後押ししている。オフィス空室率は月次ベースで悪化に転じているものの、賃料上昇傾向は続いており、収益環境は悪くないとの見方が大勢のようだ。「全体相場がTOPIX型のバスケット売りの反動で買い戻されている部分もあり、不動産セクターはその影響も反映されている」(同)という。きょう引け後に不動産経済研究所から3月の首都圏・近畿圏のマンション市場動向が開示される見通しにあることで、売り方が買い戻しを急いだという背景もあるようだ。
株探ニュース