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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 開花の時を待つ「業績好転」株

株式アドバイザー 北浜流一郎

「開花の時を待つ『業績好転』株」

●株価上昇には3条件クリアが必須だが…

 全国各地で桜の開花宣言が相次いでいる。東京市場の“株桜”も歩調を合わせて咲き誇ってほしいところだが、いまのところ残念ながら期待外れだ。

 株式市場の桜前線ともいえる日経平均株価は、1万7000円の大台を目前にもみ合いを続けている。一時的には大台に乗るのだが、それが長続きせず、すぐに失速してしまうのが実際だ。対ドルでの円がなかなか期待通りに下げてくれないからだ。

 為替がドル高円安になるためには、米国が着実に追加の利上げを実施してくれなくてはならない。しかし、いまはそんな方向にない。当初想定された年間4回の利上げシナリオは、2回に減少する可能性が高いばかりか、もしかすると1回、などということもあり得る状況だ。

 東京市場にとって好ましい投資環境とは、米国株式&上海市場高と原油先物価格高、そしてドル高だ。実に3つの条件を満たさなければ順調に上がってくれないのだから対応しにくいが、3条件の中でも最も重要なのはドル高・円安。

 いまはこれを欠きがちになるため、日経平均がなかなか1万7000円台にどっしり乗らない。こうなっているのが実際で、為替変動の影響を受けやすい銘柄に投資するのは難しくなっているが、市場は多彩。為替の影響を受けにくい銘柄は数多いので、それらに投資すればよいことになる。

●株価蘇生の確率が高い三菱商

 安倍政権は来年4月から実施予定の消費税引き上げについて、実施見送りを決める理由を探しはじめている。選挙前のパフォーマンスとの見方もあるが、引き上げ先送りの可能性は高いと見てよく、株式市場がそれに期待を寄せつつあることも、国内消費への依存度が高い銘柄への投資を有利にする。

 そして、もう一つ忘れてならないのが、今期の決算が赤字でも、来期は好転が見込める銘柄群だ。株は業績好調・向上・好転の銘柄が結局は上昇する。この点から今期赤字でも来期黒字化する、つまり「好転」する企業の株は期待が持てることになる。

 そこで、注目はまずは三菱商 <8058> だ。赤字転落が明らかになったばかりだが、問題は来期。赤字転落の最大要因は資源エネルギー価格の急落になるため、それらが最悪期を脱しつつあることを考えれば株価は蘇生の確率が高くなる。

 国内消費増への期待感から注目したいのがGMO-PG <3769> になる。ネット通販などの決済システムサービスで先行している会社だけに株価も期待が持てる。

 記帳代行という地味なビジネスながら堅調な需要が見込める事業に展開しているF&M <4771> [JQ]も高値圏ながら続伸力ありと見る。

 いまは猫ブーム。テレビで猫の映像を見ない日がないほどだが、ブームの恩恵を受けているのがペット保険大手のアニコムHD <8715> 。株価は目先高値なので押し目を待って投資すれば安全度が高い。

 最後に国内だけでなく海外展開もしている会社を。Web会議に強いブイキューブ <3681> を。

2016年3月25日 記

株探ニュース

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