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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「もうはまだ、まだはもう、トレンドに従う」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は12日に1万4865円まで突っ込むが、その後はどうにか落ち着きを取り戻した。波乱の元凶であった原油(WTI)がロシアを交えた産油国の協議をキッカケに30ドル台を回復、それを背景にNYダウが続伸し、同時株高の様相を呈したことが背景にある。また、12日の安倍・黒田会談から為替(ドル円)が111円処を下値に切り返し114円を付けたほか、15日のドラキ総裁の「緩和に踏み切る用意がある」との発言も寄与した。

◆こうしたことで日経平均は1万6000円台を回復したが、これで上昇基調に戻すかは疑問だろう。たしかに12日までの突っ込みで騰落レシオやRCI、平均線カイ離率など日足のテクニカルは底打ちしたし、売り方が「買い戻し」を余儀なくされることで戻り歩調を辿る可能性はある。だが、このような状況は1月の安値局面(1月21日)と似ており、その時の戻りは2月1日まで1週間ほどで、日足は8本で終えている。ドラキ総裁は1月21日にも同じ緩和発言をしている。

◆つまり、買い戻しが終わると株価の戻りも一巡。そこからさらに上値を買い上がって行く力(エネルギー)がいまの市場にあるかが問われることになる。日経平均の上値メドとしては25日線(1万6600円台)や週足遅行線の雲下限(1万6610円)だが、もう一つチャートで大事なのは日柄で、2月第4週がポイントになる。「2月12日」安値から日足8本は2月23日、そこは満月でもある。変化日の9本は2月24日で、2月1日高値から17本目が重なるほか、月内最終商い日でもあり、戻りのポイントになるのかが注視される。

◆反転した日経平均だが、年初からの大波乱で買い方は総ヤラレ。需給環境も大きく崩れており、上値をドンドン買い上がって行くエネルギーはまだ乏しいと思わざるを得ない。これまで流れの似ている「95年、08年」とも春の底打ちは「彼岸」だけに、今年も3月まで慎重を期しておく必要あるのではないか。

◆株が上がり出すと「超低金利、低PER、低PBR、高配当」など、買いを誘うような文言が並んでくる。たしかにそれも一理だが、相場ではトレンドが最優先であるから、チャートの好転を確認してから考慮するものだろう。好転確認までは「もうはまだなり」、戻り売りのスタンスが続く。

(2月18日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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