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【市況】<株式トピックス>=来期業績懸念で、CTAの売りに買い向えず

 10日の東京株式市場は、寄り付きこそやや買い優勢でスタートしたものの、その後は外国為替市場で、1ドル=114円20銭台へと円高・ドル安が進行したことなどを背景に下げ幅を加速。日経平均株価は一時、前日比655円安まで売られ、1万6000円台を大きく割り込んだ。終値は前日比372円05銭安の1万5713円39銭と大幅続落した。

 きのう、きょうの日経平均株価の合計1290円という大幅続落により、1月21日に付けた直近安値(1万6017円)を割り込んだことで2番底の形成がならず、改めて大底を模索する展開に陥った。市場関係者からは「円高と株安が負のスパイラル状態となって続いている。心理的な防衛ラインとされてきた、1ドル=115円を円高方向に突破したことで、自動車、電機、精密機器など主力の輸出関連企業の17年3月期業績への懸念が一段と強まっている」としている。

 今月に入っての急落局面で、主な売り手として取りざたされている、海外のヘッジファンドやCTA(商品投資顧問業者)などによる短期的なスタンスの売りに対しても、17年3月期の業績見通しに不透明が強まるなか、国内の個人投資家や機関投資家が買い向かう勢いが大きく妨げられているようだ。(冨田康夫)


出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)

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