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【特集】加速する「無電柱化」、安倍首相推進法案に意欲 <株探トップ特集>

協和エクシオの日足チャート 「株探」多機能チャートより

―2020年東京五輪に向け早期成立図る―

●首相が推進法案の早期成立に意欲

 2月1日に安倍総理大臣が首相官邸で電線の地中化などを進める「無電柱化を推進する市区町村長の会」会長の山下和弥奈良県葛城市長らと面会。会談の席上、2020年の東京五輪・パラリンピックまでに無電柱化推進法案の早期成立に意欲を見せた。地中化を核とする無電柱化は、これまで何度か論議されてきたが、膨大な投資費用がネックとなり進んでいなかった。今回、2020年までという目標を設定したうえで、安倍首相が明言したことで整備の加速が期待される。

●欧州やアジアの主要都市では無電柱が一般化

 無電柱化の比率はロンドン・パリ、香港で100%、台北で95%、シンガポールで93%、ソウルでも46%などヨーロッパやアジアの主要都市では一般化しているのに対して、日本では東京23区で7%、大阪市で5%と大きく立ち遅れている。地震、竜巻、台風など過去の大規模災害では電柱が倒壊することにより道路が寸断する被害が発生しており、防災に強い都市作りを構築するうえでも喫緊の課題となっている。加えて無電柱化により歩道の有効幅員を広げることで、通行空間の安全性・快適性を確保し、事故防止に貢献することが可能になる。電柱・電線が無くなることで良好な景観を確保することも可能になり、都市のイメージ向上にも役立つ。

●法案成立なら全国規模で整備進展

 国土交通省では、これまで1986年から3期にわたり「電線類地中化計画」、1999年から2003年度の「新電線類地中化計画」、2004~2008年度の「無電柱化推進計画」に基づき整備を行い、現在では、「無電柱化に係るガイドライン」に沿って、無電柱化を進めている。また、東京都も2020年の東京五輪までに競技場が集中する晴海通りや清澄通りで、100%地中化すべく整備を進めている。今回、安倍首相が無電柱化推進法案の早期成立に意欲を見せたことで、法案成立から全国規模で整備が進むことが期待される。

●共同溝でイトーヨーギョー、工事では協エクシオなど

 無電柱化の整備手法については、道路の地下空間を活用して電力線、通信線などをまとめて収容する電線共同溝方式が核となりそうだ。共同溝については、マンホールやライン導水ブロックを展開するイトヨーギョ <5287> [東証2]が水路付小型ボックス「D.D.box」を無電柱化対策製品として注力。ゼニス羽田 <5289> [東証2]はCCBOX(管路方式)電線共同溝を、旭コン <5268> [東証2]も電気・電話・水道・ガスなどのライフラインをまとめて地下に敷設するプレキャスト共同溝と電線共同溝を手掛けている。無電柱化の工事では協エクシオ <1951> やきんでん <1944> 、関電工 <1942> など電気工事大手も注目される。

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