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【経済】直撃Q&A 「パリ同時テロ」(1) 鈴木英之氏に聞きました!

鈴木英之氏 SBI証券投資調査部長

 週末13日夜(現地時間)に発生した「パリ同時テロ」を受け、週明け16日の東京市場はリスク回避の動きが強まり日経平均株価は200円を超す値下がりとなった。今回の同時テロの金融市場への影響をどうみれば良いのか。SBI証券の投資調査部長、鈴木英之氏に聞いた。

●鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

Q1 パリ同時テロのマーケットへの影響をどう見るか?

 欧米市場の反応をみる必要はあるが、株価はそれほど心配しなくて良いとみている。2001年9月11日の米国同時テロの際もニューヨークダウは終値では4日目に安値をつけた。テロにより株価が下がると、テロリストの思う壺にはまってしまう。政治家もテロで株が下がったとは言わせたくないだろう。テロの局面では市場には「愛国者(パトリオット)買い」が入りやすい。その一方、売りにくいというのが、これまでの経験則だ。

Q2 欧州の政治・経済情勢へ悪影響を与えないか?

 欧州では難民問題が深刻化するなか、今回の同時テロが起こった。また、モノやヒトの流れを滞らせるという面があり、経済には負の影響を与える可能性がある。ただ、それだけに政策面では、追加緩和に向けドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の背中を押す要因となることも考えられる。

Q3 日経平均や為替市場の見通しは?

 年末に向け日経平均株価は2万500円を目指すとみている。目先、空運株や旅行関連株、インバウンド関連などが下落する可能性はある。ただ、旅行先が欧州から日本に向かうこともあり得るだけにインバウンド関連などの深押し場面は買いだと思う。


<プロフィール>
(すずき・ひでゆき)早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

直撃Q&A 「パリ同時テロ(2) 吉野晶雄氏に聞く」に続く
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