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NYの視点:米ベージュブックも6月の追加利上げを後押し


米連邦準備制度理事会(FRB)は3月から4月上旬の情報をもとにダラス地区連銀が作成した地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表した。報告では、全米12地区の経済活動が緩やかまたは緩慢な成長を継続したことが明らかになった。楽観的な見通しが維持されたものの、トランプ政権が導入した鉄やアルミの輸入制限の影響に全米で懸念が表明されたことは注目点となる。

物価も輸入制限がひびき、とくに鉄鋼価格が上昇。建築材などの価格の上昇が指摘された。企業はさらなる価格の上昇を予想している。雇用に関しては広範な拡大が続くものの、賃金の伸びは緩やかにとどまったようだ。

結果を受けて、米国債券利回りは上昇。10年債利回りは2カ月ぶりの高水準に達した。米地区連銀経済報告(ベージュブック)は次回5月1-2日にワシントンで開催される連邦公開市場委員会(FOMC)の材料となる。この会合では、金利の据え置きが予想されている。しかし、6月会合での利上げ確率は92%で、ほぼ織り込まれた。

2018年にFOMCのリーダーと言われる議長、副議長、NY連銀総裁のメンバーが交代することになる。パウエルFRB議長のもと、NY連銀総裁はダドリー総裁の後任として、ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁が指名された。副議長には債券ファンド運用大手、米パシフ ィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のグローバ ル戦略アドバイザー、リチャード・クラリダ氏が指名された。いずれもpragmatic, practicalと見られており、実務的なFOMCが予想されている。イエレンFRB議長の路線を引き継ぐと見られており、緩やかな利上げ軌道が続く。

《CS》

 提供:フィスコ

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