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9928 ミロク情報サービス

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10:27 05/22
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時価総額 632億円
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ミロク情報 Research Memo(4):企業向けERP製品売上とストック型サービス収入が順調に拡大


■ミロク情報サービス<9928>の業績動向

2. 販売先別・品目別売上動向
売上高の内訳を見ると、フロー型収入となるシステム導入契約売上高が前期比4.7%増の20,236百万円と2期ぶりに増収に転じたほか、ストック型収入となるサービス収入も同6.8%増の13,004百万円と増収基調が続いた。その他(主に子会社の売上)については、トライベックの売上が通年で寄与したことにより同31.0%増の3,356百万円となった。期初計画比ではサービス収入が5.5%上回った一方で、システム導入契約売上高が1.0%、その他が27.4%下回った。その他についてはトライベックを除く子会社の売上が、コロナ禍の影響等により伸び悩んだ。

(1) システム導入契約の販売先別・品目別売上高
システム導入契約売上高を販売先別で見ると、企業向けは前期比7.9%増の10,577百万円となった。新規顧客向けは同3.1%減の3,228百万円と減少したものの、既存顧客向けが同13.6%増の7,349百万円と好調に推移した。中堅・中小企業向けに投入したERP製品「MJSLINK DX」の販売が好調だったほか、中堅企業向けERP製品「Galileopt」シリーズの売上も大きく伸長した。企業向け売上全体に占める新規顧客の売上比率は30.5%と前期から3.5ポイント低下したものの、新規顧客の開拓は順調に進んでいるとの認識だ。これは同社の新規顧客の開拓並びに既存顧客へのアップセル・クロスセルを推進するための提案型営業を行う専門組織として、主要都市にソリューション支社の開設を順次進めてきた成果が出ているものと考えられる。新規顧客向けの売上高が減少した要因については、提供形態が売切り型からクラウド・サブスク型へシフトしていることが要因として考えられる※。2022年3月期のERP製品売上高のうち、約10%はクラウド・サブスク型に切り替わったもようで、売上高への影響額としては8億円強の減額と見られる。ただ、クラウド・サブスク型の売上高については2023年3月期以降も継続的に計上されるため、中期的に見れば影響はない。

※同社は2020年8月より従来のパッケージ販売に加えて、「Microsoft Azure」上で利用できるクラウドサービス(サブスクモデル)での提供も開始しており、同サービスの売上はソフト使用料として計上している。


一方、会計事務所向け売上高は前期比7.4%減の5,984百万円となった。2期前にパソコン等の買い替え特需と合わせてERP製品の更新数もピークを打ったため減少傾向が続いたが、顧客件数そのものは若干だが増加傾向が続いている。なお、会計事務所向けについてもサブスク型への移行を進めており、売上高のうちサブスク契約の比率は10%程度だったと見られる。

また、システム導入契約売上高を品目別で見ると、ソフトウェアが前期比9.3%増の12,416百万円、ハードウェアが同13.5%減の3,110百万円、ユースウェア(導入支援サービス)が同7.8%増の4,709百万円となった。ハードウェアについては2期前にWindows7のサポート終了に伴うパソコンやその他周辺機器の買い替え特需があり、その反動減が続いている。ソフトウェアや導入支援サービスについては会計事務所向けの減少を企業向けの増加でカバーした。なお、期初計画比では全体で1.0%の未達となったが、品目別で見るとハードウェアが14.8%、ユースウェアが1.2%それぞれ下回ったのに対して、主力のソフトウェアは3.2%上回っており、こうした動きを見てもERP製品の販売が順調だったことがうかがえる。

(2) サービス収入
サービス収入の内訳を見ると、TVS(会計事務所向け総合保守サービス)が前期比1.7%増の2,517百万円、ソフト使用料が同20.8%増の2,778百万円、ソフト運用支援サービス(企業向けソフト保守サービス)が同6.2%増の5,596百万円、ハード・NW保守サービスが同2.6%増の1,505百万円、サプライ・オフィス用品が同8.7%減の606百万円となった。

TVSやソフト運用支援サービスについては、新規顧客の獲得が進んだことにより着実に増加した。ソフト使用料の増収率が前期の29.4%増から鈍化しているが、これは「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴う売上計上方法変更(年額一括計上から月額計上に変更、仕入商品の売上高を純額に変更)の影響によるもので、同要因を除けば同程度の増収率だったと見られる。企業向け統合フロントクラウドサービス「Edge Tracker」※や小規模事業者向けの各種クラウドサービス(かんたんクラウド会計等)、並びにERP製品のサブスク型契約などが伸長した。

※中堅・中小企業の従業員を対象としたクラウドサービスで、「経費精算」「勤怠管理」「給与明細参照」「年末調整申告」「ワークフロー」などの業務をマルチデバイス対応により、いつでも、どこでも利用できるサービス。


なお、クラウド・サブスク収入(ソフト使用料)のKPIとなるARRについて見ると、2022年3月は前年同月比で35.8%増の3,050百万円と右肩上がりに増加している。また、伸び率も2021年6月の同27.9%増から月を追うごとに加速している状況となっている。内訳を見ると、最も伸び率が大きいのは主要ソフトウェアのクラウド・サブスク型収入で、2022年3月は前年同月比123.2%増の701百万円となった。また、「Edge Tracker」も同84.2%増の326百万円と高成長が続いており、今後はこれらカテゴリーの比率が高まっていくものと予想される。

(3) その他
その他(主に子会社の事業)の売上高は前期比31.0%増の3,356百万円となったが、これは主にトライベックの売上が通年で寄与したことによるもので、既存子会社についてはコロナ禍の影響等により伸び悩んだ。

ビジネス情報サイト「bizocean」については、収入源となる広告収入の回復が遅れており、総務・人事系コンサルティングサービスのトランストラクチャも伸び悩んだ。MJS M&Aパートナーズは若干の増収増益となったが、人材採用・紹介に特化した広告代理事業を行うアド・トップは増収減益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

 提供:フィスコ

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