信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

2375 ギグワークス

東証S
596円
前日比
+20
+3.47%
PTS
591.5円
23:57 05/17
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
138 3.86 0.84 2,034
時価総額 131億円
比較される銘柄
バーチャレク, 
PI, 
Dmミックス
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

ギグワークス Research Memo(1):2023年10月期第2四半期は過去最高売上高を達成(1)


■要約

ギグワークス<2375>は、10万人を超える登録ギグワーカー(登録スタッフ)の空いた時間やスキルに合わせて、IT関連の機器サポートやコンタクトセンターなどの多様な業務をマッチングするビジネスモデルで成長している企業である。毎月1,000社以上の企業からのオンデマンド性が高い業務(単発短期業務)に即時対応できるのが同社の強みとなっている。2019年8月に「スリープログループ株式会社」から「ギグワークス株式会社」に商号変更し、次代に向けてギアチェンジをした。同社の最大の経営資源はヒトであり、女性の活躍や健康経営において先進的で内外からの評価も高い。東京証券取引所(以下、東証)2部に昇格した2015年からはM&Aを積極化し、事業規模を急速に拡大しており、2022年7月には日本直販(株)及び(株)悠遊生活を子会社化した(同年10月に合併。以下、日本直販)。2022年4月の東証市場区分見直しに伴いスタンダード市場へ移行し、将来的にはさらに上を目指している。

1. ビジネスモデル
同社のビジネスモデルは、“IT関連の仕事を中心としたマッチングプラットフォーム”に特長がある。同社は“パソコン家庭教師”から出発した経緯もありIT関連(設置、トラブル対応、システム開発など)を得意とするが、現在はIT関連以外(販売、コールセンター、調査など)も増え、依頼を受ける仕事は多岐にわたる。IT関連での事例としては、パソコン(以下、PC)やタブレットのキッティング、アンテナ基地局設置、バス停工事(IoT対応)などがある。大手通信会社や大手SI会社、外資系PC会社など大企業からの依頼が多く、継続的なパイプを持つ。特に全国規模での短期集中の依頼は同社でなければ受け手がいない場合が多く、同社の存在価値を高めている。2021年には、ギグワーカー(働き手)とクライアント企業(発注者)の間で仕事の受発注が直接できるプラットフォーム「GiGWorks Basic」を本格稼働させ、利用者が拡大している。創業以来、累計で6,062社、733万件のマッチングを行い、2022年10月期は年間7,170名が稼働した。

2. 業績動向
2023年10月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比28.0%増の13,552百万円、営業利益が同87.9%減の27百万円となった。売上高では、日本直販等の子会社化及びシステムソリューション事業やシェアリングエコノミー事業の成長などにより、売上高は第2四半期で過去最高を更新した。利益面では、オンデマンドエコノミー事業の大型案件縮小やIT関連フィールドサービス業務の不調、収益構造改革中のデジタルマーケティング事業の取り込み、シェアリングエコノミー事業の収益改善途上などにより、収益性は一時的に低下している。

2023年10月期の連結業績は、売上高が前期比23.0%増の28,200百万円、営業利益が同13.1%増の500百万円と、過去最高売上高の更新及び堅実な増益を予想している。オンデマンドエコノミー事業では、世界的な半導体不足が解消に向かい、フィールドサポートや販売支援などの対面型業務などでやや回復傾向にあると同社では見通している。デジタルマーケティング事業では、日本直販の業績が通期で寄与することに加え、収益改善の成果が期待される。システムソリューション事業では、経済活動が活発化し、サービス業での人手不足が発生していることから、人材はもちろんテクノロジーとの融合により需要の取り込みを狙う。シェアリングエコノミー事業では、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で根付いた新しい働き方のニーズの取り込みに引き続き取り組み、「all access」などの新サービスの成長及びセグメント損益の黒字化を目指す。第2四半期を終えて、売上高の進捗率は48.1%と順調に推移する。営業利益では進捗率5.6%と出遅れてはいるが、主力のオンデマンドエコノミー事業における非IT関連フィールドサービスの需要回復、デジタルマーケティング事業の収益構造改革の進捗、シェアリングエコノミー事業の成長と収支改善などが鍵であり、いずれの事業も収益性が上向く可能性がある。弊社では、上期の各利益の進捗の出遅れは、下期に十分リカバーできると捉えている。

3. 成長戦略・トピック
同社のシステムソリューション事業では、サブスクリプションサービス分野に参入した。子会社であるギグワークスクロスアイティは、企業向けに開発されたAIチャットツール「GiGMON powered by GPT-4」を発表し受付を開始した。このサービスは、AI技術を活用して瞬時に適切な回答を提供し、業務効率化を実現するとともに、企業固有のナレッジを活用できる機能や簡単な操作で誰でも利用できるワンクリックプロンプトなどの機能を備えており、企業のナレッジ共有・コミュニケーションを革新するサービスとなっている。主な機能・特徴は、(1) 企業固有のナレッジに対応、(2) 管理画面で利用状況を一元管理、(3) セキュアな環境での利用、(4) ワンクリックでのプロンプト(命令文)利用、の4点である。サブスクリプション価格は、月額800円/人から(プランによる)と低めに設定した。これは、同社として様々なサービスを提供する上でのフックとして同サービスを位置付けている側面があるためである。今後は、同社グループ内での展開が計画されており、マッチングプラットフォーム「GiGWorks Basic」内での活用、自社開発商品のコールセンター向けCRMシステム「デコールCC.CRM3」での機能追加、nexのシェアオフィス会員(13,000社以上)向けの附帯サービス提供、などで利用される。先端技術を取り入れ、事業化するスピードは同社の強みの1つと言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《YI》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均