明日の株式相場に向けて=半導体関連の出世株候補が続々
週明け15日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比324円高の3万5901円と6連騰。オプションSQ通過で需給的な思惑による買いは一巡し、今週はマーケットが冷静さを取り戻す、すなわち今度こそ適度な調整を入れるであろうという見方が強かった。ところが、常識が通用しないのが今の東京市場で、前週末までの5営業日で日経平均は2300円近く上昇していたにもかかわらず、利益確定の動きを凌駕する物色ニーズが顕在化した。きょうも一時400円を超える上昇でザラ場3万6000円台に乗せるというモンスター級の上げ足を披露。ここまでくると、1989年の大納会につけた3万8915円というバブルの頂まで短時日で駆け上っても不思議はないような感覚にとらわれる。
タイミング的には“新NISA効果”ともいえるが、つみたて投資枠は米国株やオール・カントリーなど海外ファンドに流れ、成長投資枠でも日経平均寄与度の低いバリュー株への資金流入に偏っており、ハイテク株が全体を押し上げるような構図とは符合しない。マーケットではチャイナマネーの日本株買いを指摘する声もある。つい、この間は任天堂<7974>へのオイルマネー買いが話題となったが、今は外国人買いといっても従来イメージする欧米投資家ではなく、資金が想定外の方向から東京市場に上陸している印象が強い。なお、きょうは引け後に東証が「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について開示した企業のリストを公表した。昨年12月時点でプライム上場企業の4割にとどまっているが、今後毎月更新する見通しであり、低PBR株物色の流れも物言う株主や買収思惑など新手(あらて)の海外マネーと相乗効果を生む気配がある。
個別では 半導体関連中心に旺盛な物色意欲が継続。レーザーテック<6920>や東京エレクトロン<8035>など主力どころの上値は重くなっているが、先高期待は失われておらず、押し目形成場面では買い板が厚くなる。また、中小型の半導体関連にも投資資金が食指を動かし、全体のリスク選好ムードが続く中で人気化する銘柄が相次ぐ状況にある。
前週末13日土曜日にアップされたトップ特集「新NISAが開く大相場の扉、バリュー系グロース『半導体商社』6選」では、PERやPBR、配当利回りなどの面から相対的に割安感のある半導体関連株にスポットを当てている。半導体セクターの中では「専門商社」という肩書がグロース株のイメージに共鳴しにくい面もあってか、ここまで半導体人気の中核には位置していなかったが、それだけに新鮮味があり株式需給面でシコリ玉も乏しいというメリットがある。この日は同特集で選出された立花エレテック<8159>やレスターホールディングス<3156>、丸文<7537>、萩原電気ホールディングス<7467>など高値更新のオンパレード。特に立花エレと萩原電気HDは上場来高値更新と気を吐いている。
半導体関連の穴株探しの動きはまだまだ続きそうだ。昨年12月下旬を境に物色人気が高まり一貫した上値追いトレンドを形成しているOBARA GROUP<6877>。同社は自動車向け溶接機大手のイメージが強いが、高技術力を武器に半導体向け平面研磨装置も手掛けている。また、藤倉コンポジット<5121>も半導体関連機器への展開では1990年代までさかのぼる古参に属し、4%台後半の高配当利回りと合わせて目を配っておきたい銘柄。更にエヌビディア<NVDA>関連の穴株ではAKIBAホールディングス<6840>の株価が買いを入れやすいポジションにある。25年3月期は半導体メモリー市況の回復を背景に2ケタ以上の増益に転じることが有力視される。
このほかパワー半導体分野でプラズマCVD装置やALD装置、ドライエッチング装置、ドライ洗浄装置など抜群の商品技術力を誇るサムコ<6387>は「ポスト・レーザーテック」の資質がある。業績も好調で4000円台前半でもみ合う株価は中期で絶好の拾い場となっている可能性がありそうだ。また、OCT分野(光分野)で実力を発揮するsantec Holdings<6777>は売上高の8割を海外で占めているが、持ち前の光学技術で半導体向け光学検査システムの需要開拓が続いている。
あすのスケジュールでは、12月の国内企業物価指数のほか、5年物国債の入札が予定される。海外では12月の英失業率、1月の欧州経済研究センター(ZEW)の独景況感指数のほか、米国では1月のNY連銀製造業景況感指数などが発表される。このほか、ウォラーFRB理事による講演も予定されており、その内容にマーケットの関心が集まる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
タイミング的には“新NISA効果”ともいえるが、つみたて投資枠は米国株やオール・カントリーなど海外ファンドに流れ、成長投資枠でも日経平均寄与度の低いバリュー株への資金流入に偏っており、ハイテク株が全体を押し上げるような構図とは符合しない。マーケットではチャイナマネーの日本株買いを指摘する声もある。つい、この間は任天堂<7974>へのオイルマネー買いが話題となったが、今は外国人買いといっても従来イメージする欧米投資家ではなく、資金が想定外の方向から東京市場に上陸している印象が強い。なお、きょうは引け後に東証が「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について開示した企業のリストを公表した。昨年12月時点でプライム上場企業の4割にとどまっているが、今後毎月更新する見通しであり、低PBR株物色の流れも物言う株主や買収思惑など新手(あらて)の海外マネーと相乗効果を生む気配がある。
個別では 半導体関連中心に旺盛な物色意欲が継続。レーザーテック<6920>や東京エレクトロン<8035>など主力どころの上値は重くなっているが、先高期待は失われておらず、押し目形成場面では買い板が厚くなる。また、中小型の半導体関連にも投資資金が食指を動かし、全体のリスク選好ムードが続く中で人気化する銘柄が相次ぐ状況にある。
前週末13日土曜日にアップされたトップ特集「新NISAが開く大相場の扉、バリュー系グロース『半導体商社』6選」では、PERやPBR、配当利回りなどの面から相対的に割安感のある半導体関連株にスポットを当てている。半導体セクターの中では「専門商社」という肩書がグロース株のイメージに共鳴しにくい面もあってか、ここまで半導体人気の中核には位置していなかったが、それだけに新鮮味があり株式需給面でシコリ玉も乏しいというメリットがある。この日は同特集で選出された立花エレテック<8159>やレスターホールディングス<3156>、丸文<7537>、萩原電気ホールディングス<7467>など高値更新のオンパレード。特に立花エレと萩原電気HDは上場来高値更新と気を吐いている。
半導体関連の穴株探しの動きはまだまだ続きそうだ。昨年12月下旬を境に物色人気が高まり一貫した上値追いトレンドを形成しているOBARA GROUP<6877>。同社は自動車向け溶接機大手のイメージが強いが、高技術力を武器に半導体向け平面研磨装置も手掛けている。また、藤倉コンポジット<5121>も半導体関連機器への展開では1990年代までさかのぼる古参に属し、4%台後半の高配当利回りと合わせて目を配っておきたい銘柄。更にエヌビディア<NVDA>関連の穴株ではAKIBAホールディングス<6840>の株価が買いを入れやすいポジションにある。25年3月期は半導体メモリー市況の回復を背景に2ケタ以上の増益に転じることが有力視される。
このほかパワー半導体分野でプラズマCVD装置やALD装置、ドライエッチング装置、ドライ洗浄装置など抜群の商品技術力を誇るサムコ<6387>は「ポスト・レーザーテック」の資質がある。業績も好調で4000円台前半でもみ合う株価は中期で絶好の拾い場となっている可能性がありそうだ。また、OCT分野(光分野)で実力を発揮するsantec Holdings<6777>は売上高の8割を海外で占めているが、持ち前の光学技術で半導体向け光学検査システムの需要開拓が続いている。
あすのスケジュールでは、12月の国内企業物価指数のほか、5年物国債の入札が予定される。海外では12月の英失業率、1月の欧州経済研究センター(ZEW)の独景況感指数のほか、米国では1月のNY連銀製造業景況感指数などが発表される。このほか、ウォラーFRB理事による講演も予定されており、その内容にマーケットの関心が集まる。(銀)
出所:MINKABU PRESS