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5034 unerry

東証G
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unerry Research Memo(1):実社会のデータをAIで分析し、リアル空間を見える化


■要約

unerry<5034>は、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションの下、実社会のデータをAIで分析し、リアル空間を見える化することによって生活のUX※向上に貢献している。リアル行動ビッグデータプラットフォーム「Beacon Bank(R)」を通じて特定の個人を識別しない人流データを蓄積し、「分析・可視化」「行動変容」「One to One」という3つのサービスを顧客に提供している。人流データは、GPS(全地球測位システム)と各施設に設置されたビーコンによりスマートフォンアプリの位置情報を取得し、同社独自開発のAI群で分析することによってデータを意味ある情報に変換する。今後は、顧客業態と市場の拡大によって、さらなる業績と企業価値の向上を目指す。顧客業態の拡大に関しては、主に小売・外食顧客向けに提供している同社サービスを消費財メーカーに展開し、市場の拡大については、日本において蓄積したリテールDX事業、スマートシティ事業のプロダクトとノウハウを北米・アジアに展開することを計画している。

※UX(ユーザーエクスペリエンス:ユーザーがプロダクトやサービスを通して得られた体験)


1. 2023年6月期の業績概要
2023年6月期の業績は、売上高2,076百万円(前期比43.6%増)、営業利益35百万円(同53.1%減)、経常利益34百万円(同51.3%減)、当期純利益9百万円(同93.5%減)だった。新型コロナウイルス感染拡大(以下、コロナ禍)の行動制限が緩和され観光・外食需要などが持ち直すなか、小売業などを中心にDXによる人流データを活用した顧客囲い込みなどの取り組みに対する需要が高まった。この旺盛な需要により、新規顧客が、堅調な割合で継続的に取引するリカーリング顧客※に転換し、売上高は2度の修正を行い、期初計画を6.3%上回った。2020年6月期からの年平均成長率は53%を超えている。利益面では、原価率の高い行動変容サービス、「One to Oneサービス」が伸長したこと、「One to Oneサービス」において戦略価格で一部受注したこと、人流・購買データなどリアルデータの増加に伴うサーバーなどのインフラ費用が増加したことなどにより原価率が上昇した。なお、成長に合わせた期初計画以上の採用強化、「ショッパーみえーる」の追加開発、北米進出準備など積極的な先行投資を行ったため販管費も増加した。その結果、営業利益は期初計画を大きく下回ったものの黒字で着地した。営業利益率は1.7%と前期比3.5pt低下した。

※四半期以上連続で取引のある顧客企業及び直近3ヶ月以上連続で取引のある新規顧客企業。


2. 2024年6月期の業績見通し
2024年6月期の業績予想は、売上高2,898百万円(前期比39.6%増)、営業利益117百万円(同233.4%増)、経常利益117百万円(同235.2%増)、当期純利益65百万円(同599.4%増)を見込んでいる。売上高については、前期の新規顧客をリカーリング顧客化し、クロスセルを着実に実行することで、高い成長率を目指す。同時に、分析・可視化サービスと行動変容サービスも積極的に伸ばす計画である。具体的には、2023年6前期の顧客数145社(うちリカーリング顧客78社、新規または取引中67社)を、2024年6月期には192社に増やすほか、リカーリング顧客については前期より38社増の116社を目指す。利益は、原価率の低い分析・可視化サービスを伸ばすことで原価を抑制し、粗利率を改善する。販管費は、プロダクト開発・業務提携のための投資の増加や採用強化による人件費の増加により前期比増を見込むが、増収、粗利率の改善でカバーし、営業利益は前期比3倍以上の増益を計画している。

3.中期成長戦略の概要
同社は、2024年6月期の計画を公表するとともに、2028年6月期に売上高100億円を目指す中期成長戦略を掲げた。unerry,everywhere戦略として、リテール企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するリテールDX事業を核に、4つの事業ステップを加速度的に展開し、世界中どの店でもどの街でも同社データが自然と使われているインフラ実現を目指す。第1ステップでは、現在の主要顧客である小売・外食業界において、リテールDX事業によりシェアを獲得する。第2ステップでは、小売での店頭購買を最大化できる行動変容サービスの提供先を、小売だけでなく川上の消費財メーカーにも拡大し、顧客との最終接点となる小売店頭をメディア化するリテールメディア事業を展開する。第3ステップにおいては、不動産事業者・自治体・官公庁などが構想するスマートシティに向けて、メディア化のノウハウを転用してスマートシティ事業を展開し、全国都市の人流可視化・行動変容サービスのデファクトスタンダードを作り上げていく。第4ステップでは、日本で構築したリテールDX事業とスマートシティ事業のプロダクトとノウハウを北米・アジアなどグローバル市場に展開していく。

■Key Points
・実社会のデータをAIで分析し、リアル空間を見える化する環境知能実装企業
・2023年6月期は期初予想を上回り、前期比43.6%の増収
・2024年6月期の各段階利益は3倍以上の高成長を見込む
・リテールメディア・スマートシティ・グローバル事業を加速度的に展開
・中期成長戦略を達成するために不可欠な人的資本戦略も策定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《AS》

 提供:フィスコ

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