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【特集】「水素」が8位にランク、脱炭素の潮流で主要企業の事業強化の動き相次ぐ<注目テーマ>

JPX日経400 <日足> 「株探」多機能チャートより
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 みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「水素」が8位となっている。

 4月30日に閉幕した主要7カ国(G7)の気候・エネルギー・環境相会合では、石炭火力発電所を段階的に廃止する方針とともに、2030年に蓄電池や水素などによる電力の貯蔵容量を22年の水準と比べて6.5倍に増加させる目標が掲げられた。脱炭素化に向けた国際的な潮流のなかで、日本国内では産学官の連携のもと、温室効果ガスの削減につながる水素を活用したビジネス基盤を整備する取り組みが進められていた。今回の目標設定は、水素ビジネスの発展を後押しする大きな力となると株式市場では注目されている。

 大手企業でも水素関連事業の強化に向けた動きが活発化している。トヨタ自動車<7203>は5月8日の決算発表において、25年3月期に1兆7000億円の成長領域への投資を実施する方針を示したが、対象にはバッテリー電気自動車(BEV)やAIのほか、水素分野も含まれている。トヨタを主要取引先とするジェイテクト<6473>は7日、水素エンジン車における高圧水素減圧弁の開発に着手すると発表。水素によるエネルギーを活用した次世代自動車の実用化にサプライヤーとして貢献する構えを示した。2月には出光興産<5019>とENEOSホールディングス<5020>、北海道電力<9509>が、北海道内に国内最大規模となるグリーン水素サプライチェーン構築に向けた検討を開始すると公表しており、新たなインフラ構築による経済効果への期待が膨らんでいる。

 水素関連事業は三菱重工業<7011>や川崎重工業<7012>といった重工大手にとっても注力分野の一つとなっているが、株式市場において関連銘柄の中核とされているのは岩谷産業<8088>だ。同社はコスモエネルギーホールディングス<5021>との資本・業務提携のもと、水素インフラの構築について検討を進めている。天然ガスなどを原料として水素ガスを製造する装置を手掛ける三菱化工機<6331>や、水素ステーションなどへの圧縮機を展開する加地テック<6391>も主要銘柄と位置付けられている。このほか、液体水素ポンプの開発を進める酉島製作所<6363>や、水素を活用した家庭用給湯器の実用化に取り組むノーリツ<5943>やリンナイ<5947>なども注目を集めつつある状況だ。

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2024年05月10日 12時22分

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