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【特集】大谷正之氏【NYダウは初の4万ドル台、日本株に追い風強まるか】 <相場観特集>

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 ―米利下げ期待が再燃、エヌビディア決算に関心高まる―

 20日の東京市場で日経平均株価は前週末17日に比べ282円高の3万9069円と反発。約1ヵ月ぶりに3万9000円台を回復した。株高の原動力となったのが、米株式市場の上昇だ。NYダウは17日に初めて終値で4万ドル台に乗せたほか、ナスダック指数も最高値圏で推移している。目先の焦点は22日のエヌビディア<NVDA>の決算だが、米株高の追い風を背景に日本株も反騰基調を強めるのか。証券ジャパンの大谷正之調査情報部長に見通しを聞いた。

●「不透明要因残り当面は足場固めも、半導体関連株など注目」

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 この日の日経平均株価の上昇の要因には、米株高に加え外資系証券会社が日本株に強気の見通しを出したことなどもあったのだろう。ただ、日本株は当面足場固めの相場が続くとみている。

 足もとでは、米経済指標に弱めな内容のものが出てきている。しかし、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までインフレ懸念が後退した状態が続くかどうかは分からない。年内3回が見込まれてきた米利下げは2回程度との見方が増えているが、今後の情勢次第ではやはり1回程度となることもあり得る。今後も米経済指標などを注視する展開が予想される。

 また、日本では25年3月期の業績見通しに対しては、市場予想に反して減益見通しを打ち出す企業も目立つ。この業績見通しに対して「保守的」という見方は多いものの、本当に保守的かどうかは7月下旬から本格化する第1四半期(4-6月)決算を確かめる必要があるだろう。

 そんななか、今後1ヵ月程度の日経平均株価の予想レンジは3万8500~4万円前後を見込んでいる。4万円に近づく場面では戻り売りも予想されるだけに、3万9000円を中心とする一進一退の足場固めが予想される。ただ、22日に予定されているエヌビディアの決算次第では、相場は一気に上放れることもあり得るだけに、その結果は要注目だろう。

 個別銘柄では、やはり東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]といった 半導体関連株からは目が離せない。また、生成AIに絡み データセンターへの需要が高まっている。このなか、データセンター向け需要が期待されるパワー半導体の富士電機 <6504> [東証P]、それに光ファイバーの古河電気工業 <5801> [東証P]やフジクラ <5803> [東証P]、更にデータセンター向け需要で電力不足も懸念されるなか、再生可能エネルギーの組成に絡み水素関連のIHI <7013> [東証P]、岩谷産業 <8088> [東証P]などに注目したい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。

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