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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 権利行使価格の2万8875円~2万9250円のレンジを想定


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 29070 -60 (-0.20%)
TOPIX先物 2071.5 -5.0 (-0.24%)
シカゴ日経平均先物 29100 -30
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 5日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。4月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が25万3000人増と予想(18万人増程度)を上回ったほか、失業率は3.4%に低下し、予想(3.6%程度)以上に低下したため、相場の重荷となる場面も見られた。しかし、前日まで大きく売られていた地銀株が反発に転じたことで不安が和らいだほか、予想を上回る1-3月期決算を発表したアップル<AAPL>が4%超の上昇で相場をけん引する格好となり、各指数は5営業日ぶりに反発した。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比30円安の2万9100円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、2日の日中大阪比10円安の2万9120円で始まり、米地銀株の急落による金融システム不安を警戒した米株安のなか、祝日取引で一時2万8560円まで急落する場面が見られた。だが、米アップルがけん引した局面で2万9140円まで買い戻され、2万9070円で取引を終えた。

 日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好で、やや売り優勢の展開になりそうだ。ただし、日本が連休中の米国市場は波乱の展開となったものの、急落した米地銀株が週末には反発を見せているため、金融システム不安に対する警戒は限られそうである。また、2-3日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、大方の予想通り0.25%の追加利上げを決定した。前回の声明に盛り込まれた「追加の引き締めが適切」との表現は削除され、「金融政策運営のスタンスを適切に調整する用意がある」と記したことにより、今回での利上げ打ち止めの可能性を織り込む流れに向かいやすいだろう。

 日経225先物は2万8560円まで急落し、週足のボリンジャーバンドの+1σ(2万8715円)を下回った後に買い戻されており、過熱感が後退するとともに、調整一巡感も意識されやすい。また、+2σが2万9450円辺りまで切り上がりを見せているなか、バンドに沿ったトレンドが継続しそうだ。オプション権利行使価格の2万9000円処での底固めから、その下の権利行使価格2万8875円辺りまでは押し目狙いのロング対応になりそうだ。また、日足の+2σは2万7970円辺りに位置していることから、権利行使価格の2万8875円~2万9250円のレンジを想定する。

 5日の米VIX指数は17.19に低下した。4日には一時21.33まで急伸し、上値を抑えられていた75日線を突破する場面も見られたが、週末には75日線および17.86辺りに位置していた25日線を下回って終えており、リスク選好に向かわせやすいだろう。なお、NT倍率は先物中心限月で14.00倍を挟んだレンジ推移を継続している。今週は決算発表がピークを迎えるなかでトレンドは出にくいと考えられるが、米アップルなど大型テック株が相場をけん引する一方で、米地銀株に対する警戒がくすぶるなか、方向性の出やすさでいえば、NTロングでのスプレッド狙いが入りやすいとみておきたい。

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