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【特集】<話題の焦点>=円安加速で業績上振れ先取り!今が仕込み場の有望株

トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
 トランプ次期米大統領が打ち出す政策は5兆ドルの巨額減税と1兆ドルの特大インフラ投資。実現性を疑問視する声もないわけではないが、今は言うなれば“理想買いの旬”にあり、ここは米国株市場と二人三脚で、いいとこ取りのリスクオン相場に素直に乗っておくところではないか。

 米国の長期金利上昇の一方で、日銀のイールドカーブ・コントロールによる低金利環境の継続が日米金利差の拡大をもたらしている。これによりドル買い円売りの動きを加速させたことは望外の追い風といってよい。目先は1ドル=113円台をうかがうどうにも止まらない円安展開。行き過ぎてドルが買われた反動も想定されるとはいえ、仮に揺り戻しがあっても1ドル=110円近辺の推移であれば、輸出主導型企業にとって願ってもない収益環境といってよい。下期の想定為替レートについて日本企業は実勢より大幅に円高で見積もっていることは言うまでもなく、3月期決算の輸出企業の平均では1ドル=101円前後と試算されている。これは早晩、業績上振れ期待と合わせ株価の水準訂正のチャンスが巡る可能性が高いことを意味している。

●恐れずトヨタの押し目を買うべし、竹内製作はトランプ政策恩恵も

 注目されるのは為替感応度の高い銘柄だ。TPP脱退を明言するなどのトランプ次期米大統領の保護貿易主義への警戒もあり、一筋縄ではいかないが、外需系企業の代表格である自動車セクターは、関税撤廃で大きな恩恵が見込まれていたトラック関連を除けば要マークとなる。トヨタ自動車<7203>、富士重工業<7270>などは下期の想定レートが100円であり(通期ベースではトヨタが103円、富士重が104円)、トランプ政策を嫌気して下押す場面があれば、恐れず静かに買い下がっておきたい。

 また、海外売上高比率が97%という異色の建機メーカーで北米向けの売上比率も高い竹内製作所<6432>の下期想定レートも1ドル=100円だ。ミニショベルを中心に建機の需要自体は好調、米国はもちろん欧州でも数量ベースで着実増。中期的にはトランプ政権下で北米のインフラ投資拡大の恩恵を受けそうだ。25日移動平均線との上方カイ離修正場面があれば、そこは買い場とみてよいだろう。

●実態は絶好調の信越化、オークマの激辛設定も今となっては嬉しい悲鳴

 信越化学工業<4063>の下期想定レートも1ドル=100円。同社は半導体シリコンウエハの世界トップメーカーであり、海外売上高比率も70%を超えていることで、為替の影響はかなり大きい。同社の場合、期初時点では118円で設定していたから、一気に18円も円高方向に修正したことになる。しかし、17年3月期通期営業利益予想は2250億円予想で従来見通しから変更はなかったことで、市場筋の間では「実質的には増額修正に等しい。その後、為替が急激に円安に振れていることから、上振れ着地の公算がかなり大きい銘柄としてマークされている」(国内中堅証券)もようだ。

 このほかでは下期想定レートを、100円を下回る99円と“激辛設定”したことで静かな話題となったのがオークマ<6103>だ。17年3月期営業利益は前期比33%減の145億円予想と低調ながら、株価はこれを織り込み視線は既に来期以降の回復に向いている。北米景気の好調を背景に、自動車や航空機向けマシニングセンタ需要の取り込みに期待がかかる。工作機械を動かすNC装置に搭載するAI技術を開発したことが伝わるなど、時流に乗った話題も提供している。株価は既に新値圏に到達しているが1000円近辺で、まだ昨年の高値水準までは50%も上値余地がある。時価PERは17倍台にとどまっており、業績の増額修正が見込めるとなれば指標面からも見直し余地が生まれる。

 このほかでは、下期1ドル=100円で設定している村田製作所<6981>、アルプス電気<6770>、TDK<6762>、ローム<6963>、フォスター電機<6794>など電子部品株にも見直し買いの機が訪れそうだ。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

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