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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「残る『宵の明星』」

株式評論家 富田隆弥

◆日銀が追加緩和を決め、政府は景気対策をまとめた。その中身はともかく、日経平均株価は日中こそ乱高下したものの、1万6600円台から1万6000円処へ軟化するなど反応が鈍い。事前の期待が高かっただけに「出尽くし感」は否めないところだ。時は8月。オリンピック、甲子園、お盆と夏休み本番を迎える。

◆週足チャートは右カタ上がりの流れに変わりないものの、日足は「宵の明星」になった7月21日の変化日高値1万6938円を残し、調整局面にある。1万5850~1万6400円は25日移動平均線、75日線、一目均衡表の「雲」などの重なる節でもあり、このあたりで少し「もみ合う」ことも想定される。このスピード調整から切り返して行くなら「秋相場」に期待がつながるだろう。だが、いつまでも7月21日の「宵の明星」が君臨しているようだと地合いは芳しくない。

為替(ドル円)の日足チャートは、75日線や一目均衡表の「雲」を抜けずに右カタ下がりが続いている。直近100円処に軟化中だが、100円大台を割ると英国ショック(6月24日)で付けた99円を試しに行ってもおかしくない。

◆日銀決定会合のあと不穏なのが「国債」で、7月27日高値154円から8月2日に安値150.66円と急落(金利上昇)している。2013年、2015年と国債波乱のあと株式市場も波乱になっているが、今回の国債は未曾有の過去最高値からの急落だけに注意が必要と思われる。

◆いずれにせよ夏休みの8月。スタンスは少し控え目に「様子見」も悪くない。相場は方向性を確認してから動きだしても遅くない。

(8月4日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ


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