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【市況】米国株式市場見通し:雇用統計に注目


30日(月)はメモリアルデーの祝日のため、米国株式相場は休場となる。来週は雇用統計をはじめ経済指標の発表が多数予定されているが、イエレンFRB議長や複数の連銀総裁が今後数か月内の利上げに積極的な姿勢を示すなか、発表内容を受けて利上げの見通しがどのように変化するかが注目される。「5月に売って立ち去れ(Sell in May and go away)」という格言通り、節税目的の個人退職年金の流入が一巡し、需給面の好材料が無くなっていく時期でもあり、注意が必要だ。

経済指標では、4月個人所得・支出(31日)、5月消費者信頼感指数(31日)、5月ISM製造業景況指数(1日)、5月ADP雇用統計(2日)、4月製造業受注指数(3日)、5月雇用統計(3日)などの発表が予定されている。また、2日にはECB定例理事会、石油輸出国機構(OPEC)総会が控えている。経済指標の内容が良好であれば、株価の上昇要因となるものの、早期追加利上げの可能性は高まることになる。今回の雇用統計では非農業部門雇用者数が16万人増、失業率は5.0%と前月とほぼ横ばいで推移することが予想されているが、予想よりも大幅な改善を示す内容となった場合は、6月か7月の利上げが意識されるだろう。

1日にはFOMCでの基礎資料となるベージュブック(地区連銀経済報告)の発表が予定されている。雇用統計の結果とともに連銀の金融政策に影響を与えるかどうかが焦点だが、先週発表された1-3月期GDP改定値は0.8%増と、速報値の0.5%増から上方修正された。先週発表された4月耐久財受注や新築住宅販売件数など良好な経済指標を受けて、楽観的な景気判断が示される可能性が高いだろう。

米国では毎年5月のメモリアルデーの祝日頃からから9月のレイバー・デーの祝日頃にかけて、ガソリン需要が増大する傾向があり、「ドライビングシーズン」と呼ばれる。今年はガソリン安であることに加え、雇用市場が改善しているため、休暇中の旅行客の増加が見込まれる。全米自動車協会(AAA)は、メモリアルデー含む今週末の連休における旅行者を過去2番目に多い3,800万人以上と予想している。AAAが発表した27日時点の全米平均レギュラー・ガソリン価格は1ガロン2.319ドルと前年同期比で約15%も安価である為、旅行先での個人消費も増加する可能性が高い。この連休は、今後の景気拡大を占う良い機会となりそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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