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【市況】新興市場見通し:不安定感の強まりから過度な上値追いへの慎重姿勢は強まる公算

マザーズ指数 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場は、前週にマザーズ指数が急落した反動も強まり、自律反発の流れとなった。とりわけ、マザーズ中心銘柄のそーせいグループ<4565>が信用取引の規制解除で買い優勢となり、指数の反発をけん引する形となっている。一方、マザーズ指数急落の直後で不安定感も残るなかで、一部の銘柄では波乱の展開となるものも見受けられている。東証1部市場が週を通して様子見姿勢を強める中、週末にはマザーズ市場の売買代金も、ゴールデンウイーク期間中の水準にまで減少している。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.6%であったのに対して、マザーズ指数は+1.0%、日経ジャスダック平均は+0.1%だった。

個別では、そーせいグループが週間で7.9%高、サイバーダイン<7779>が同2.1%高、ミクシィ<2121>が同2.0%高と、マザーズ時価総額上位銘柄は総じて堅調であった。そーせいグループは取引規制緩和のほか、アナリストの目標株価引き上げ、子会社の海外企業との提携契約に関する待機期間の短縮が認められたことが材料視された。ほか、セレス<3696>は同38.3%高、改正資金決済法の成立でフィンテック関連として買われる。REMIX<3825>も同関連として同28.8%高と急伸した。sMedio<3913>やアクロデア<3823>はIoT関連の材料がプラス視され、ソネット・メディア<6185>はAI関連として買われる。JASDAQ市場では、スマホアプリの海外配信開始のガーラ<4777>、クレジットカード端末のICチップ対応義務化でカーディナル<7855>などが強い動きに。一方、アキュセラ<4589>が週末にかけて連日のストップ安と波乱の展開。期待薬の臨床試験結果が嫌気される。売買代金上位では、JIG-SAW<3914>が同17.7%安、ブランジスタ<6176>が同17.1%安、アカツキ<3932>が同30.6%安、グリーンペプタイド<4594>が同12.4%安と2ケタ下落銘柄が多く見受けられている。

今週の新興市場は、米雇用統計を週末に控えて東証1部市場の主力大型株が手掛けにくいなか、値幅取りを狙った短期資金などのシフトが進む可能性もあるだろう。ただ、直近のマザーズ指数急落に伴う市場の不安定感の強まりから、需給主導で買い進まれてきた銘柄の一段の上値追いなどには慎重姿勢も強まる可能性が高い。指数寄与度の高いそーせいグループが20000円レベルでいったん落ち着く公算もあり、マザーズ指数ももみ合いが想定されよう。

個別では、先週末にブランジスタ<6176>が秋元康氏のプロデュースするゲーム「神の手」の詳細を発表した。週末の夜間取引では急伸しており、目先はリバウンド期待が高まる公算。先週末はガンホー<3765>の人気化もみられ、短期的にゲーム関連株への見直しが進む余地はあろう。ほか、サミットを通過したことで、目先は政策に対するニュースフローなどが増加する見通し。公共事業関連に加え、フィンテックやAI、自動運転、保育・介護などといったテーマへの関心が再燃する可能性もあろう。

IPO関連では、キャリア<6198>(6月27日、マザーズ)、ベガコーポレーション<3542>(6月28日、マザーズ)、コメダホールディングス<3543>(6月29日、東証1部または2部)、セラク<6199>(7月1日、マザーズ)の新規上場が発表されている。現時点でのIPO予定銘柄数は計13社となっている。

《FA》

 提供:フィスコ

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