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【通貨】為替週間見通し:ドル下げ渋りか、日銀追加緩和期待で円売り継続も

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

■ドル大幅高、日銀追加緩和期待で3週間ぶりの1ドル=111円81銭

先週のドル・円は大幅上昇。22日のNY市場で4月1日以来となる111円81銭まで上昇した。日本銀行による追加緩和への期待が高まり、円買いポジションの解消に絡んだドル買い・円売りが急速に広がったことが要因。1ドル=110円近辺と111円近辺でストップロスとみられるドル買いが観測された。

ブルームバーグニュースは22日、日本銀行は当座預金の政策金利残高に適用している金利(-0.1%)をさらに引き下げる場合、金融機関への貸出金利をマイナスとすることを4月27-28日の金融政策決定会合で検討する可能性があると報じた。金融機関の借り入れコストが大幅に軽減されることによって、当座預金金利を引き下げても金融機関の収益を圧迫しないとの見方が広がり、株安に対する警戒感が低下したことでリスク選好的な円売り・ドル買いが活発となった。九州・熊本地方での地震活動は継続しているものの、日経平均株価は下げ渋っていることや原油先物が反発したこともドル買い材料となった。取引レンジは107円77銭-111円81銭。


■ドル下げ渋りか、日銀追加緩和期待で円売り継続も

今・来週(4月25日-5月6日週)のドル・円は下げ渋りか。4月26-27日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金融政策の現状維持が決まる見込みだが、4月27-28日開催の日銀金融政策決定会合では、金融機関向けの貸出金利をマイナスにすることが検討されるとの思惑が広がっている。当座預金の政策預金残高に適用する金利を引き下げる可能性もあることから、株高につながり、リスク選好的な円売りを促すとの思惑が広がっている。

金融政策の現状維持が決まった場合は円買いが強まる可能性があるが、震災復興支援などの目的で日銀による早期追加緩和への期待は残されることから、ドル安・円高が急速に進行する可能性は低いとみられる。米早期利上げへの期待は後退しているものの、5月6日発表の4月米雇用統計が強い内容だった場合、6月利上げへの期待が高まることもドル買い材料になるとみられる。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(4月26-27日開催)
今回は、政策金利は据え置きとなる見込み。次回6月14-15日以降の利上げの可能性が模索されそうだ。ただ、英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票が6月23日に行われる予定となっており、この結果を見極めるため6月も金利据え置き予想が多いことから、積極的なドル買いは手控えられそうだ。

【日本銀行金融政策決定会合】(4月27-28日開催)
今回の決定会合では、金融機関向けの貸出金利引き下げについて検討することや、日銀当座預金における政策金利残高の適用金利を0.1ポイント引き下げて-0.2%に変更する可能性があるとみられている。金融政策の据え置きが決まった場合、円買いが強まりそうだが、4月米雇用統計に対する期待があることから、投機的なドル売り・円買いが大きく広がる可能性は低いとみられる。

【米・4月雇用統計】(5月6日発表予定)
3月実績は、失業率が5.0%、非農業部門雇用者数変化は前月比+21.5万人だった。非農業部門雇用者数は20万人を超える増加になりそうだが、早期利上げへの期待は後退しているため、雇用者数が市場予想と大差ない場合、ドル買い材料にはなりにくい見通し。予想を下回った場合はドル売りにつながりやすい。

予想レンジ:109円50銭-113円50銭

《FA》

 提供:フィスコ

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