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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ 常に、パニックは政策の母!

株式評論家 杉村富生

常に、パニックは政策の母!

●消費税の引き上げ凍結が最大の景気対策!

 季節は春である。日本列島は桜前線が北上、東京はその“盛り”を迎えている。今週末が花見のピークだろう。気温の上昇とともに、世界の株式市場は一気にリスク・オンの姿勢を鮮明にし、軒並み高となっている。VIX(恐怖)指数は13ポイント台まで低下した。もう大丈夫ではないか。

 中国リスク、原油安など不安要因の多くが消えた。まさに、パニックは政策の母!である。マーケットが動揺し、人々がパニックに陥るたびに政策対応は強化される。そして、最後は「何でもあり」の政策総動員態勢となる。危機は必ず克服される! これが歴史の教訓である。

 日本(安倍政権)は4~5月に、5兆円規模の補正予算の編成方針を明らかにするとともに、消費税の引き上げ(2017年に8%→10%の予定)を凍結するだろう。

 GDP成長率は2015年10~12月期のマイナス(0.1%)に続き、2016年1~3月期もマイナスに落ち込むだろう。テクニカル的にはリセッション(景気後退)である。この局面では消費税の引き上げを凍結するのが最大の景気対策といえる。

●外部環境に左右されにくいセクターを!

 日銀は4月27~28日の金融政策決定会合において、追加の金融緩和に踏み切るだろう。その骨子はマイナス金利幅の拡大(0.1%→0.2%に)、ETF、REITの買い入れ額の増額になろう。

 7月10日はほぼ間違いなく衆参同日選挙となる。タイミング的にはここしかない。消費税の引き上げを予定通り行ったとすると、2018年の解散→総選挙(任期末)となるが、これだとリスクが大きすぎる。

 足元の相場は外国人が今年に入って5兆円売り越すなど、積極的な買い手が不足している。このため、世界的な株高の波に日本市場だけが取り残されている。しかし、海外ファンドは出動の機会をうかがっているという。

 したがって、この局面では目先の値動きに一喜一憂する必要はない。とはいえ、ここは為替の影響を受けにくいペプドリ <4587> 、小野薬 <4528> 、リプロセル <4978> [JQG]などのバイオセクターを攻めようじゃないか。EAJ <6063> [JQ]は業容一変の夢を秘めている。好業績の夢テクノ <2458> [JQ]にも注目できる。

2016年3月31日 記


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