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【注目】前週末11日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

ペプドリの日足チャート 「株探」多機能チャートより

■ペプチドリーム <4587>  5,100円 (+705円、+16.0%)

東証1部の上昇率3位。ペプドリ <4587> がストップ高。マーケット関係者の間では、みずほ証券がペプチドリームの目標株価を5070円から9230円に引き上げたことが刺激材料となったという。同証券では製薬会社による青田刈りが始まったとしてぺプチドリームを紹介しているという。

■サンバイオ <4592>  1,185円 (+163円、+16.0%)

サンバイオ <4592> [東証M]が続伸。野村証券では、米国子会社の再生細胞薬SB623の慢性期脳梗塞を対象とした米国でのPhase2b試験において、実施が遅れていた最初の被験者への投与が開始されたことを受け、SB623の開発スケジュールそのものに遅れは生じておらず、再生細胞薬の開発、市場創造のシナリオは変わらないと指摘。それでも、日本での導出先である帝人 <3401> は臨床開始への準備を今後始めるとみて、開発が長期化する可能性があると解説。潜在的には、自前で行う日米での外傷性脳損傷を対象とした治験の進展などに注目して、レーティング「バイ」を継続。目標株価を3450円から3000円に引き下げている。

■飛島建設 <1805>  182円 (+22円、+13.8%)

東証1部の上昇率4位。飛島建 <1805> が後場急伸。午後1時ごろに、従来、無配を予定していた16年3月期の期末配当について、普通配当1円と特別配当1円の計2円を実施すると発表しており、これを好感した買いが入っている。同社は1991年3月期以来無配を続けてきたが、26年ぶりの復配となる。同時に保有している第2回C種優先株969万6800株を3月11日付で消却すると発表しており、これを好材料視した買いも入っているようだ。なお、これにより同社が発行した優先株はすべて消却されることになる。

■シーズHD <4924>  2,095円 (+167円、+8.7%)

東証1部の上昇率8位。シーズHD <4924> が大幅反発。10日の取引終了後に発表した第2四半期累計(15年8月-16年1月)連結決算が、売上高175億4800万円(前年同期比1.2%減)、営業利益30億4300万円(同4.3%増)、純利益21億300万円(同9.8%増)と最終利益で約1割の増益となったことが好材料視されている。卸売や海外販売が好調に推移したことが牽引役となった。なお、16年7月期業績予想は、売上高を従来予想の407億円から400億円(前期比6.2%増)へ下方修正した。通信販売が想定を下回って推移していることが要因。ただ、2月に連結子会社化したシーズ・ラボの貢献があり、営業利益は81億円(同5.4%増)、純利益は52億5000万円(同6.3%増)の従来予想を据え置いている。

■ディップ <2379>  2,569円 (+122円、+5.0%)

10日、ディップ <2379> が16年2月期の経常利益(非連結)を従来予想の60億円→71.7億円に19.5%上方修正。増益率が24.6%増→48.8%増に拡大し、従来の3期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料。積極的な広告宣伝投資が奏功し、求人情報サイトの求人広告出稿が想定より伸びたことが寄与。販管費が想定を下回ったことも上振れに貢献した。業績上振れに伴い、前期の年間配当を従来計画の55円→62円(前の期は1→5の株式分割前で78円)に増額修正したことも支援材料。

■東鉄工業 <1835>  3,180円 (+140円、+4.6%)

東鉄工 <1835> が続急伸。JR東日本 <9020> 向け売り上げ比率が約8割と高く、首都直下型地震などに備えた耐震補強工事需要を取り込み、増収基調を続けるとともに高い利益率もポイントとなっている。立花証券では10日付で同社株の投資判断を「強気」継続とし、目標株価を3140円から3550円に引き上げており、これが株高を支援している。今16年3月期営業利益について会社側は10%増の101億円を見込んでいるが、同証券では同43%増の131億5000万円と大幅な上振れを見込んでいる。

■積水ハウス <1928>  1,911.5円 (+83.5円、+4.6%)

10日、積水ハウス <1928> が決算を発表。16年1月期の連結経常利益は前の期比2.7%増の1605億円で着地。続く17年1月期も前期比10.2%増の1770億円に伸び、4期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料。今期は政府の省エネ住宅支援策による住宅需要の高まりを背景に、賃貸住宅事業やリフォーム事業、不動産フィー事業の収益が拡大する。業績好調に伴い、今期の年間配当は前期比10円増の64円に増配する方針とした。同時に、1.85%を上限とする自社株買いを発表。株主還元の拡充を好感する買いも向かった。

■三菱UFJ <8306>  554.3円 (+18.7円、+3.5%)

三菱UFJ <8306> 、三井住友FG <8316> 、みずほFG <8411> などメガバンクが軒並み高。ここ銀行株はマイナス金利環境のなかで全体相場の地合い悪を誘導するセクターだっただけに、足もとの動きは違和感も伴う。これについて市場では「売り方の買い戻しが主導している。長期金利が足もと上昇していることに加えて、ECB理事会では追加緩和を決定したものの、記者会見での追加利下げ打ち止め発言ともとれるドラギ総裁コメントが影響している」(国内ネット証券大手)という。ドラギ総裁は今後の追加利下げについて「必要になるとは思っていない」と発言しており、それよりも銀行に融資しやすい環境作りを支援する姿勢をみせた。これを受けて、「日銀の金融政策決定会合でもマイナス金利幅の拡大という政策は打ちにくくなった。金融緩和政策にも限界が生じているとの認識がにわかに広がっている」(同)という見方が強まり、収益環境の圧迫懸念を材料に投機筋の空売り対象となっていた銀行セクターを買い戻す動きが顕在化したようだ。

■ブラザー工業 <6448>  1,290円 (+35円、+2.8%)

ブラザー <6448> が続伸。大和証券は、同社の16年3月期第3四半期はコスト削減効果でプリンティング&ソリューションズ(P&S)事業が4四半期ぶりに増益だったとリポートで紹介。下方修正された16年3月期の会社側の営業利益計画は保守的な印象として、P&S事業を中心に会社計画超過を予想している。ただ、17年3月期の営業利益予想は450億円とし、為替のマイナス影響のほか、ハイエンドスマホの販売減速によりM&S事業の販売が低調に推移すると考え、減益を予想している。同証券は、レーティング「2」(アウトパフォーム)を継続。目標株価は1900円から1400円へ引き下げている。

■曙ブレーキ工業 <7238>  261円 (+7円、+2.8%)

ブレーキ <7238> が続伸。10日の取引終了後、投資有価証券の一部を売却したことに伴い、第4四半期に投資有価証券売却益16億6900万円を特別利益として計上すると発表したことが好感されている。なお、同件は昨年12月15日発表の16年3月連結業績予想の修正に織り込まれているという。

■ドンキHD <7532>  3,985円 (+95円、+2.4%)

ドンキHD <7532> が続伸。同社が10日に発表した2月月次販売は既存店販売が前年同月比5.8%増、全店ベースでは15.7%増だった。1月は既存店が5.9%増、全店が15.5%増であり、年初からの好調が続いている。「春節」効果もありインバウンド関連需要が堅調で、食品や化粧品、生活家電が伸びた。中国懸念でインバウンド需要が伸び悩むとの見方から、株価は年初から軟調に推移しただけに、下値には見直し買いも流入しているようだ。

■TOKAI <3167>  588円 (+12円、+2.1%)

10日、TOKAI <3167> が発行済み株式数(自社株を除く)の2.9%にあたる340万2684株(金額で18億4425万円)の自社株式を子会社より相対取引で取得すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。なお、買い付け価格は10日終値を5.9%下回る542円。

■キヤノン <7751>  3,363円 (+63円、+1.9%)

キヤノン<7751>やコニカミノル <4902> など欧州売り上げ比率が高い銘柄が堅調。11日の東京為替市場で1ユーロ=126円50銭前後と前日午後5時時点に比べ2円近い大幅なユーロ高・円安となっている。10日の欧州中央銀行(ECB)理事会で追加緩和が決定されたが、ドラギECB総裁は記者会見で「追加利下げが必要になるとは思わない」と発言。これを受け、追加緩和が限界に近づいたとの見方が浮上し、ユーロが上昇した。このユーロ高に伴い、欧州向け比率が高い精密株などには買いが入っている。

■チムニー <3178>  2,950円 (+53円、+1.8%)

チムニー <3178> が堅調。同社は10日の取引終了後、2月度の月次売上高を発表。既存店では前年同月比2.7%減となったが、全業態では5.3%増となった。「さかなや道場」を2店舗出店(直営店舗)し、2月4日から3月6日まで、グループ創業32年の感謝を込めた「大創業祭」を開催。

■三菱商事 <8058>  2,074円 (+32円、+1.6%)

三菱商 <8058> が堅調。同社はこの日、韓国の斗山重工業とベトナム現地パートナー2社を含む4社コンソーシアムで、ベトナム電力公社Vietnam Electricity(EVN)が同国南部ビントゥアン省ビンタン地区に計画している石炭焚火力発電所(出力60万キロワット)の建設工事を受注したことを発表した。今回のプロジェクトは、三菱商事が斗山重工業、ベトナム現地パートナー2社とのコンソーシアムで13年にEVNから受注し、現在建設中のビンタン4石炭火力発電所(出力60万キロワット2基、合計120万キロワット)の隣接地に、追加で1基建設するもので、19年の運転開始を予定している。三菱商事が蒸気タービン及び発電機の供給、斗山重工業がボイラーの供給および現地工事、ベトナム現地パートナー2社がプラント補機の供給を担当する。

■オリックス <8591>  1,598.5円 (+20.5円、+1.3%)

オリックス <8591> が続伸。国内大手証券がレーティングを格上げしたことが確認されている。SMBC日興証券は、オリックスの投資評価を「2」から「1」へ引き上げ、目標株価を2000円から1900円に若干引き下げた。アナリストは「経営が高度化し、基礎的収益力が高まる」とリポートを発行。16年以降の利益予想を上方修正した理由として、M&A効果の織り込み、海外金融収益の増加など4つの理由を挙げている。また、米系証券会社が実施した海外投資家訪問で、マイナス金利以降の相場で関心のある銘柄にオリックスの名前が挙がっていることも市場で話題になったばかりだった。

※11日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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