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【市況】<株式トピックス>=軟調地合いのなか化学業種から異彩高銘柄浮上

 4日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比146円26銭安の1万7044円99銭で3日続落となった。外国為替市場での急速な円高・ドル安進行を嫌気して、電機、自動車など輸出関連の主力銘柄を中心に、全般売り優勢となった。さらに、16年3月期の業績下方修正を発表した日立製作所<6501>やパナソニック<6752>が揃って大幅安に売り込まれていることも、全体地合いを悪化させた。

 ただ、こうした軟調地合いなか後場に入って一段高で異彩を放ったのが三菱ケミカルホールディングス<4188>だ。株価は、一時、前日比50.5円高の663.4円まで買い進まれ、終値は同42.9円高の655.8円となった。

 同社は午後1時に、16年3月期の連結業績見通しについて、売上高は3兆9400億円から3兆8700億円(前期比5.8%増)へ下方修正したものの、営業利益を2480億円から2550億円(同53.9%増)へ上方修正すると発表した。

 それぞれの理由は、原油価格下落に伴う販売価格の低下で売上高は下方修正したものの、医薬品事業にでの技術料収入の増加やワクチンなどの増収、および研究開発費を中心とした販管費の削減などが寄与したという。なお、テレフタル酸事業を運営する連結子会社エムシーシー・ピーティーエー・インディア社と寧波三菱化学社で、固定資産の減損損失を特別損失に計上するという特殊要因から、最終利益は650億円から220億円(同63.9%減)へ減額修正した。

 きょうは、このほかにも、大陽日酸<4091>、ダイセル<4202>、三菱ガス化学<4182>、日産化学工業<4021>、日油<4403>など化学業種で値を飛ばす銘柄が目立った。(冨田康夫)


出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)

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