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2015年12月16日14時30分

【市況】中村潤一の相場スクランブル 「FOMC後の世界と原油市況」

株式経済新聞 副編集長 中村潤一

株式経済新聞 副編集長 中村潤一

 日経平均株価は2万円という道標に片手でタッチして急いで折り返してきた、12月前半の東京株式市場はちょうどそんな展開となっています。日本時間17日未明に結果が判明するFOMC(米連邦公開市場委員会)ではFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げに動くことは極めて濃厚(本校執筆は12月16日午前)で、これを相場が織り込んでいるのも確かですが、マーケットの関心は既にその後の利上げペースに移行しています。

 厄介なことに原油市況がつるべ落としの下げをみせ、その波紋は大きなリスクオフの流れに発展しました。OPEC(石油輸出国機構)総会での減産見送りは事前に半ば予想されていたことでしたが、投資家の心に巣食う構造的な供給過剰懸念を巧みに突いた売り仕掛けが、それをネガティブサプライズのレベルまで引き上げ株式市場も巻き込んだのです。

●流れを重視し臨機応変に

 株価は必ずしも合理的な動きをするとは限らず、むしろ投資家心理のバイアスがかかることで、上にも下にも行き過ぎる不条理の塊といってよい、と以前当コーナーで申し上げたことがあります。まさに今はその渦中にあるようです。波のように水面を揺らすのではなく何者も抗えない潮流が発生し、それが前回予想した年末高とは逆の方向であったことは、我が不明を恥じるよりありませんが、流れに逆らわない投資で踏み込んだ片足を抜くか、意地を張って両足を突っ込むかで、真逆の結果に行き着くことは今回の下落相場でくしくも証明された格好となりました。

 しかし、それもようやく転機を迎えつつあります。

 「信念は嘘よりも危険な真理の敵である」とは、独哲学の権威ニーチェが発したとされる言葉であり、「信念」も時を誤れば「蛮勇」に変わるのは相場の常。ただし、蛮勇が敗れて、枯れ散った先には好機が芽生える。相場はこの繰り返しなのです。

●パラダイムシフトと売り仕掛け

 今回のデフレ潮流を発生させた原油安についても、OPEC総会で減産協調できなかったことに加え、価格急落でもしぶとく採算を維持するシェールオイルの動向が、供給過剰の長期化懸念を極大化させた結果、と言えばその通りでしょう。売り方と買い方の勝負とみれば、買い方は蛮勇、売り方の完全勝利と結論づけて終了です。

 しかし、原油価格はこのまま地を這うとも思えません。時間軸を無視して板を踏み抜いたような過激なチャートの崩れ方は、供給過剰の論理を盾に一気に重心を乗せたヘッジファンド系の売り仕掛けがあったと思われます。シェール革命によるパラダイムシフトは昨年11月のOPEC総会でサウジアラビアが生産調整役を放棄したことで加速、一次産品としての現在の原油の適正価格は不明ですが、相場的には買い戻しのプロセスで1バレル=40ドル台に復帰する局面は早晩訪れると考えています。

 また、FOMCでは利上げ後のペースがどうなるかが焦点。おのずとイエレンFRB議長のコメントに市場の耳目が集中することになります。ジャンク債市場の混乱などが背景にあるだけに、ハト派的な姿勢を明示する公算は大きく、全体相場もリスクオフの巻き戻しが生じる可能性が高まりそうです。

●オーバーシュート銘柄のリバウンド狙う

 足もとは主力銘柄中心にリバウンド狙いが有効でしょう。オーバーシュート気味に下げたところでは、任天堂 <7974> 、三越伊勢丹 <3099> 、アルプス <6770> 、王子HD <3861> 、ピジョン <7956> などが候補として挙げられます。

(12月16日 記)



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