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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):ファストリ、住友ゴ、ポーラHD、カイオム

■日本空港ビルデング <9706>  5,700円  -200 円 (-3.4%)  本日終値
 日本空港ビルデング<9706>が続落。為替相場の円高が進行していることは、日本を目指す海外旅行者には逆風に働く。また、足もとの中国関連経済指標も伸び悩んでおり、中国人などを中心とするインバウンド需要への警戒感も出ているようだ。ただ、ゴールドマン・サックス証券は10日、同社株の「中立」を継続した。目標株価は6100円から6000円に若干引き下げた。市中での免税店の開始に伴い、空港免税店との需要の食い合いが懸念されているが、羽田の一部免税店で行列のための機会損失が起きている需要を取り込めることなどから「ネットでは十分プラスになる」とみている。

■ファーストリテイリング <9983>  45,440円  -1,170 円 (-2.5%)  本日終値
 ファーストリテイリング<9983>が前日比1000円を超える下げで全体悪地合いを助長した。あすにメジャーSQを控え、先物を絡めたインデックス売買が活発。ロールオーバーが利いているとはいえ、高水準に積み上がる裁定買い残は解消売りによる波乱要素を内包しており、日経平均寄与度の高い同社株はその象徴となっている。このほか、ファナック<6954>や東京エレクトロン<8035>などの値がさ株の下げも目立つ。

■住友ゴム工業 <5110>  1,640円  -27 円 (-1.6%)  本日終値
 住友ゴム工業<5110>が反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、7~9月期の業績低調は、同社の海外進出がインドネシア、中国、ブラジル、タイなどであり、ことごとくマクロリスクの大きい国であった不運も大きいと指摘。マクロが好調な北米は一段と騰勢を強めている状況で、海外新車用の落ち込みも中国VWの大幅生産調整の影響で第3四半期(7~9月期)がボトムとなる公算が大きいと解説。それでも、同業他社よりも意欲的に展開している国内市販用スノータイヤの早期装着キャンペーンの成果を見極める必要があるとみて、15年12月期営業利益予想を890億円から795億円(会社計画は780億円、市場コンセンサスは813億3800万円)に引き下げている。レーティングは「オーバーウエイト」を継続、目標株価は2100円から1950円に引き下げている。

■ポーラHD <4927>  8,200円  -130 円 (-1.6%)  本日終値
 ポーラ・オルビスホールディングス<4927>が3日続落。クレディ・スイス証券は、同社の生産子会社ポーラ化成工業の静岡・袋井工場の工場見学に参加したとのリポートをリリース。同工場の生産品目数は5390品目と幅広く、同社の国内のほぼ全ブランドのスキンケア・ベースメークの生産を担うと紹介。非常に集約化されており生産効率性が高い印象を受けたとしたうえで、同社のコスト低減に対する意識の高さを再確認できた点は良かったとの見解を示している。同証券は現時点で、同社のレーティング「アウトパフォーム」、目標株価9500円を継続している。

■ピジョン <7956>  2,959円  -46 円 (-1.5%)  本日終値
 ピジョン<7956>が続落。いちよし経済研究所では、16年1月期第3四半期決算の減益は一過性と考え、中国を核に海外市場での成長、資本効率改善に対する取り組みや積極的な株主還元姿勢の評価を継続。それでも、予想PER等のバリュエーションに、こうした点は織り込まれていると判断して、レーティング「B」とフェアバリュー3400円は継続している。

■日立造船 <7004>  663円  -10 円 (-1.5%)  本日終値
 日立造船<7004>が小幅続落。いちよし経済研究所では、16年3月期下期のみでは、環境・プラント部門で採算性の低い案件が増えるなどの理由で営業減益とみているものの、同部門の採算性悪化は従来予想ほどにはならないと指摘。インフラ部門でのコスト削減の取り組みやシールド掘進機の売上増による採算性改善、機械部門の舶用エンジンの採算性改善等により、通期では営業増益になるとみて、16年3月期営業利益予想を140億円から145億円(会社計画は145億円)に引き上げ。レーティング「A」を継続、フェアバリューを1000円から1100円に引き上げいてる。

■野村ホールディングス <8604>  713.7円  -10.1 円 (-1.4%)  本日終値
 野村ホールディングス<8604>、大和証券グループ本社<8601>など大手をはじめ証券株が軒並み安い。原油市況の下落などを背景に世界的なリスク回避ムードが強まり、東京市場でも1万9000円大台攻防を視野に軟調展開を強いられている。こうしたなか、証券セクターは、投信などの運用成績悪化や市場参加者の減少に伴う手数料収入の低下などが想起され、全体地合い悪を反映するかたちで売り優勢となっている。

■カナモト <9678>  2,722円  -33 円 (-1.2%)  本日終値
 カナモト<9678>が大幅に3日続落。同社は9日引け後、16年10月期の連結業績見通しを発表した。売上高は1339億円(前期比0.5%増)、純利益は102億3000万円(同7%増)の見通しを示したものの、きょうの市場では物足りないと捉えられているようだ。同社グループの総合力を発揮できる建設関連事業に経営資源を集中するとともに、更なる財務体質強化や収益力アップへ向けた体制の構築を目指すほか、海外での事業展開も、将来的な成長潜在力のあるアジアを中心に、現地の有力なパートナー企業と連携し今後も積極的に推進する方針。同時発表の15年10月期連結決算は、売上高がその前の期と比べ6.2%増の1332億9200万円、純利益は同2.8%増の95億5700万円で着地した。主力の建設事業は、首都圏での再開発工事や民間設備投資が一部で活発化したことに加え、本格化した震災復興工事や除染関連工事により建機レンタルの需要は好調に推移した。ただ、前の期のような補正予算関連工事が無かった地域は厳しい事業環境となり、連結営業利益は同1.1%減の162億7000万円となった。

■日産自動車 <7201>  1,246.5円  -14 円 (-1.1%)  本日終値
 野村証券のグローバル自動車セクターのリポートでは、16年は米国、欧州、インドの自動車市場が数量、車種構成(SUVの構成比拡大)、利益率といった点で更に改善する公算が大きいと指摘。アジアの完成車メーカーの中では日本勢にもっとも投資魅力を感じるとして、先進国(日米欧)の自動車市場が上向くなか輸出が拡大、既に高い営業利益率を更に高められると解説。日本勢に次いで魅力的なのがインド勢で、インドでは四輪車の価格が手頃なものになりつつあり、市場の成長が複数年にわたり続くと想定。個別では、日産自動車<7201>をグローバルトップピックに設定している。

■カイオム <4583>  572円  +80 円 (+16.3%) ストップ高   本日終値
 8日、カイオム <4583> [東証M]が同社で開発を進めているTrop-2抗体に関する特許を日本で取得したと発表したことが買い材料。同特許はヒトTrop-2を標的としたモノクローナル抗体に関するもの。現在、欧州などで特許出願中であり、これまで米国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアで特許が成立している。発表を受けて、知的財産権のさらなる強化による業績への寄与に期待する買いが向かった。

●ストップ高銘柄
 テリロジー <3356>  454円  +80 円 (+21.4%) ストップ高   本日終値
 久世 <2708>  860円  +150 円 (+21.1%) ストップ高   本日終値
 マルマエ <6264>  564円  +80 円 (+16.5%) ストップ高   本日終値
 カイオム <4583>  572円  +80 円 (+16.3%) ストップ高   本日終値
 など、5銘柄

●ストップ安銘柄
 なし

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