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2015年12月08日20時00分

【特集】鉄道各社で「新型車両」続々投入 <株探トップ特集>

大阪環状線新型車両「323系」(外観イメージパース)

―省エネ化でコスト削減、利便性向上やインバウンドも視野―

 国内では鉄道各社が新型車両への入れ替えを続々と行っている。財務省の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」では、鉄道車両の減価償却期間は13年に定められているが、実際には30~40年程度使用される例もあり、それら長年使用されてきた多くの車両が更新時期を迎えている。鉄道会社が新型への入れ替えにより、顧客満足度を向上し、省エネ・安全性向上を図る狙いがあり、車両製造メーカーを含めて関連企業が注目されそうだ。

●首都圏で新型車両への入れ替え続々

 新型車両の導入については、JR各社がこの数年、積極的に動いている。首都圏では先ごろ、JR東日本 <9020> の山手線で次世代車両となるE235系が、トラブルが相次いだものの営業運転を開始した。2000年から大量投入されたE231系やその後、大量投入されたE233系後継として、今後続々と首都圏で新型への入れ替えが控えている。

 列車情報管理システムでは従来型のTIMS(列車情報管理システム)に代わってINTEROS(次世代車両情報管理システム)を採用するなど数多くの新技術を導入、性能向上による顧客サービス向上に加えて少エネ化によるコスト削減を目指している。

●JR西日本は環状線に旧国鉄以来の新型導入

 JR東日本に続いて、JR西日本 <9021> でも大阪中心部の主力路線である環状線の車両一新を進めている。現在、走行している車両は一部の快速列車を除いて「103系」や「201系」が使用されているが、これはすべて旧国鉄時代の車両。これを16年度から新型の「323系」に入れ替える予定だが、実現すれば民営化後初の環状線での新型車両となる。

 この「323系」では安全性などの向上はもとより、案内ディスプレーの多言語化や、訪日外国人向け車内無線LANサービスも行う予定で、近年急増するインバウンド需要への対応も睨んでいる。

●西武HDは電気使用量を約40%削減

 これら東西のJRに加えて私鉄各社も新型導入を積極化させている。西武HD <9024> 傘下の西武鉄道では2008年デビューの「30000系」以来となる新型通勤車両「40000系」を17年春以降に導入予定。

 アルミ合金による軽量化や最新技術のモーターを採用することで従来の省エネ車両に比べて、電気使用量を約40%削減。これに加えて一部編成の客室用シートに「クロス状態」と「ロング状態」に転換可能なシートを同社では初めて導入。シャープ <6753> の「プラズマクラスター」を搭載するなど車内環境も充実している。

●川重など車両メーカーにも注目

 この「40000系」の製造は川重 <7012> が担当。同社はこれに加えて東武 <9001> 向け新型特急電車「500系」や山陽電 <9052> 向け新型車両「6000系」、神電鉄 <9046> 向け新型車両「6500系」も受注している。これらは16年以降、納入される予定で業績拡大に貢献しそうだ。

 車両メーカーでは近畿車 <7122> がJR西日本の広島地区の在来線で今年3月から運行を開始した「227系」(Red Wing)や南海電 <9044> が10月から運行を開始した「8300系」の製造を手掛けている。JR東海 <9022> 傘下の日車両 <7102> も東海道新幹線「N700A」をはじめとして国内鉄道車両の受注は好調だ。


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