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【特集】<話題の焦点>=石油元売り業界、再編は最終局面突入

 石油元売り業界の合従連衡が加速している。

 出光興産<5019>と昭和シェル石油<5002>が12日、経営統合に向けて基本合意したことを発表。2016年10月から17年4月に統合新会社を発足させることを明らかにした。

 続いてJXホールディングス<5020>と東燃ゼネラル石油<5012>が経営統合に向け交渉に入ったとの報道が伝わった。

 ガソリンの国内販売シェアはJXグループと東燃ゼネ石が統合すれば50%強となる。出光・昭和シェルは30%強で、報道通りなら2大グループが形成される。

 石油製品の需要は、日本国内の人口減にエコカーの普及もあり減少傾向が続いている。その一方、製油所の再編は進まず、設備の統廃合や流通販売網の再編は急務とされてきた。

 こうしたなか、かつて10社を超えた石油元売り企業は、合従連衡を続け2大グループに集約される方向がみえ、業界再編は最終局面を迎えつつある。

 このなか、今後の動向が注視されるのが、コスモエネルギーホールディングス<5021>だ。 同社は今年、従来の「コスモ石油」から持ち株会社化し各部門の収益を明確にしている。同社は規模的にも単独での生き残りは厳しいとの見方が多く、業界再編が進むなか遠からず同社の帰趨も鮮明となりそうだ。

 また、元売りの再編は石油精製会社などにも影響を及ぼし、昭和シェル傘下の東亜石油<5008>やアラビア石油を抱える富士石油<5017>、それにJX系石油販社の富士興産<5009>などの動向も市場で関心を集めている。

◆石油元売り関連企業の株価とPBR

 銘柄<コード>       株価    PBR

昭和シェル<5002>    1115   1.71
東燃ゼネ<5012>     1240   1.87
出光興産<5019>     2012   0.56
JXHD<5020>    497.9   0.67
コスモエネHD<5021>  1656   9.38
東亜石<5008>       161   0.88
富士興産<5009>      499   0.52
富士石油<5017>      374   0.59

※株価は24日終値(単位:円、倍)


出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)

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