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【経済】米インフレ率の上昇は期待薄か


 米労働省が31日発表した4-6月期雇用コスト指数は前期比+0.2%にとどまり、統計開始以来、33年ぶりの低い伸び率となった。市場予想は+0.6%程度だった。ただし、市場関係者の間からは、雇用コストの伸び率鈍化は一時的な現象ではないか?との見方が出ている。

 賃金の上昇は長期間にわたって抑制されており、この状況が一変する兆しは見えていない。雇用コストの段階的な上昇は当面期待できない可能性が高いことから、米連邦準備制度理事会(FRB)の中期的なインフレ目標である2%水準を2016年末までに達成することは難しくなるとの見方が多い。

 セントルイス地区連銀のブラード総裁は米紙WSJとの会見で「経済の見通しはかなり良好」、「インフレが2%に戻ると自信、2016年までに達成」との見方を示しているが、賃金上昇がインフレ率の上昇に寄与する可能性は低いとの声が聞かれている。ドル高進行の影響も考慮する必要がある。
《MK》

 提供:フィスコ

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