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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~ショートカバーを意識した短期リバウンド狙いも一考


8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・ショートカバーを意識した短期リバウンド狙いも一考
・ドル・円は122円04銭付近、日経平均は2万円割れ
・資源関連株などは商品市況の下落が重しに


■ショートカバーを意識した短期リバウンド狙いも一考

日経平均は大幅に下落。309.00円安の20067.59円(出来高概算13億9000万株)で前場の取引を終えた。ギリシャの先行き不透明のほか、4割の銘柄が売買停止となる中国市場への警戒が高まっている。特に上海指数が7%安から始まると、幅広い銘柄が値を消す展開となって日経平均は下げ幅を拡大させている。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1600を超えており、9割近い銘柄が下落する全面安商状に。規模別指数では大型、中型、小型株指数ともに2ケタの下落となった。セクターでは海運が唯一プラスだったほかは、その他金融、卸売が3%を超える下げ。保険、鉄鋼、非鉄金属、銀行、証券、金属製品、パルプ紙、空運、電気機器、機械、化学が2%を超える下落となった。

想定されていた流れではあるが、中国への警戒感が強まっている。上海指数は売り一巡後は下げ渋りをみせているが、4割の銘柄が売買停止の中での下げである。市場価格形成の歪みから不安定な相場展開が続くと考えられるため、この影響を避ける流れから売買を手控える動きが強まりそうである。

また、米国上場のアリババが安値を更新、日本では高値圏で推移していたラオックス<8202>が下げ幅を拡大させるなど、影響が見られる。ただし、相対的な日本株の安定感が意識されるなか、需給妙味の大きい銘柄等へは、ショートカバーを意識した短期リバウンド狙いも一考であろう。ラオックスやミクシィ<2121>辺りが下げ渋りからリバウンドに入るようだと、中小型株は息を吹き返すだろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は122円04銭付近、日経平均は2万円割れ

ドル・円は122円66銭付近で推移。ギリシャ問題の不透明感よりも中国株安への警戒感が強まっており、リスク回避の円買いが進みやすい地合い。日経平均株価は後場スタートで2万円を下回った。

東京市場のドル・円は一時121円97銭まで売り込まれたが、122円付近の国内勢を中心とする買い戻しが入り、122円台を維持した。ある市場関係者は、「国内勢、海外勢ともポジションを縮小している」と話す。

目先は日経平均株価の2万円割れが目安になっているという。別の市場関係者は「122円付近の水準がブレークした場合には一気に下落に傾くので、きょうの取引は特に注意が必要だ」と指摘する。

アジア株はほぼ全面安で、前日大きく売られた上海B株はきょうも7%程度下落、混乱は収束していない。

12時35分時点のドル・円は122円04銭、ユーロ・円は134円15銭、ポンド・円は188円35銭、豪ドル・円は90円43銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 小瀬正毅)


■後場のチェック銘柄

・前場はソフトバンクグ<9984>、ファナック<6954>で日経平均を約44円押し下げ
・資源関連株などは商品市況の下落が重しに
・ラオックス<8202>やミクシィ<2121>の動向に注目


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:00 6月景気ウォッチャー調査(先行き予想:54.0、5月:54.5)

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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