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【経済】日本:第3回の失われた10年を経験か、アベノミクス効果は薄い=外電


米国でベストセラーとなった「通貨戦争」の著者であるジェームズ・リカーズ氏はこのほど、 安倍政権の経済政策「アベノミクス」について、「第3の矢」が一度も放したことがないと指摘。構造改革を積極的に進めなければ、日本が第3回となる「失われる10年」を経験すると警告した。

リカーズ氏は、第1の矢は円安を導いて輸出企業の収益改善につながったことで短期的な成功を収めたと評価。ただ、第2の矢は的を外れたと指摘した。日本は減税を通じて景気を刺激する手法を取らず、逆に消費税を引き上げたことで経済を大きく打撃したとの見方。昨年4-6月期の日本の成長率(前期比)はマイナス1.9%に転落し、7-9月期、10-12月期はそれぞれ0.6%、0.4%にとどまった。

第3の矢で盛り込まれた移民問題や女性の活用はうまくいかず、銀行の不良債権も改善がみられていないと指摘された。また、原油安の進行に伴い、1米ドル=150円まで円安が進まなければ、2%のインフレ率の達成はほぼ不可能だと分析した。

リカーズ氏は、1米ドル=120円前後という為替水準が日本経済を停滞させていると警告。日本経済の不振が一段と進んだら、米国や中国、欧州などもデフレに陥る可能性があると警告した。また、日本政府がほかの解決策を見つけることが困難であるため、短いスパンでは円高に戻る確立が低いとの見方を示した。

《ZN》

 提供:フィスコ

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