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【市況】【北浜流一郎の乱にチャンスあり!】


「GWのリスクに備える」

●対応困難なGW、一旦手仕舞いも

 4月相場も間もなく終わる。新年度に入ると下降に転じるとの見方が多かったが、実際はまったく逆。絶好過ぎるほどの好調相場になっている。

 日経平均の2万円台乗せ。これは当然実現しておかしくないものだったが、単にタッチするだけではなく、しっかりと終値で乗る。これがすでに実現している。

 もちろん、ここからもう2万円を割り込むことはない、などとは言えない。何しろ目先GWが控えているからだ。

 GW(ゴールデンウィーク)は身心を休め、リフレッシュするためには好ましい休日になる。しかし、投資する立場から言わせてもらうなら、困りものだ。前後の対応が非常に難しいからだ。

 休日中に思いがけないことが起きてしまう恐れがあるためだ。いつ何が起きてもおかしくない時代なのだ。ある程度想像できるならよいのだが、できない以上、新規投資は手控える。これが良策になる。

 そして、実際に投資している銘柄についてはなるべく売っておく。これがお勧めの策になる。

 私がセミナーなどでこんな話しをすると、「では、休み中に何かが起きるということですか?」――こう聞かれることが多い。しかし、そうではない。前述したように、何かが起きるなどという予測は不可能だ。同時に、何も起きないという予測も同様だ。

 そのため、持ち株の一部、もしくは全部を売っておいても、何も起きず、結果的には売らないでいた方が良かった。こういうこともあり得る。

 しかし、それでも私は売りをお勧めしている。何かが起きた場合、対応のしようがなく、資金が急減する恐れがあるからだ。

 それに対して何も起きない場合、休み中、海外市場が上がったとしても、驚くほどの上昇になるとは思えない。多少上がる程度であろう。そうなると利益も大したことはない。つまり、利益1の割合に対してリスク3~5となり、持続する方がリスクが高い。

 そこでどの程度売るかだが、最低でも持ち株の3分の1、普通で半分、できることなら全部売っても構わない。

 そして、これを実行することで、GW明けに意外なメリットがある。身心がリフレッシュしたところで、新鮮な気持ち、視点から新たに銘柄を選べるというメリットだ。私の経験から、これは意外に大きい。

 もちろん、休み中、世界の金融市場で何が起きようが、平気でいられることも大きい。旅行、ゴルフなど好きなことをして楽しんでいればよいのだ。

●低PBR銘柄を見直しへ

 ところで、東京市場は水準が高くなったことで、投資家はこのところ低PBR銘柄に関心を寄せはじめている。

 株の指標は、その時々、市場の関心の度合いによって重要度が高まったり低下したりするが、いまはPBRを重視する方向にあるといえる。改めて説明するまでもなく、PBRとは1株当たり純資産倍率のこと。企業が所有する純資産に対して株価が何倍まで買われているかを示している。

 東証1部市場の場合、その平均は4月23日現在で1.58倍。つまり、東証1部銘柄の株価は純資産の1.58倍の評価になっていることになる。意外に低い。

 しかし、もっと評価が低いままの銘柄が多数ある。特に1を割り込んでいる銘柄は、100円の価値があるものが、80円で売買されているようなものと見てよいため、今後見直されて買われる。こうなる可能性があることになる。

 もちろん、これは計算上のことで、1を割り込んでいるから株価が上がるとは限らない。このため、銘柄の選別はそれなりに難しくなるものの、純資産倍率が1以下の銘柄は基本的には実質価値より評価が低いと見てよく、見直し買いの対象になる可能性が高くなる。

 では、1を割りこんでいるかどうかをどうやって知るか。簡単だ。本誌(※本稿は「チャートブック日足集」の掲載原稿を転載)を見ればよい。銘柄ごとにちゃんと載っている。

 たとえば手元にある先週号なら、住友ベ <4203> のチャートを見ると、PBRは0.9となっている。平均の1.5倍に届かないどころか、1倍にも達していないのだから、今後見直しの可能性を秘めていることになる。

 とPBRについて書いているうちに残りが少なくなってきたので、注目銘柄を。

 まずはソニー <6758> だ。高値で乱高下中だが、今期の黒字転換が見込めるため魅力的だ。

 他ではペット保険に強いアニコムHD <8715> 、インスタントカメラ「チェキ」のヒットが続く富士フイルム <4901> 、Gショックの売れ行きは好調なカシオ <6952> 、そして丹青社 <9743> を。

2015年4月24日 記

「チャートブック日足集」No.1568より転載

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