市場ニュース

戻る
 

【市況】国内株式市場見通し:日経平均は高値更新から一変、値動きの値展開に


■日経平均は高値更新から一変、値動きの値展開に

先週の日経平均は下落。先高感が根強いなか、配当志向の物色などから日経平均は小動きながらも、約15年ぶりの高値水準を更新。欧米市場の不安定な値動きに対しても影響は限られ、底堅さをみせていた。しかし、26日の配当権利取り最終日には利益確定の流れが強まり、日経平均は300円近い下落に。さらに27日には配当落ち分を即日吸収し、さらに一時3ケタの上昇と押し目買い意欲の強さをみせたものの、その後は急速に値を消す展開となり、19100円を割り込む値動きの荒い相場展開だった。

■利益確定の売りが出やすい需給状況

日経平均は昨年4月から、今年の3月期末までの上昇率が30%を超えている状況である。今年に入ってからも1月安値からは20%近く上昇している。単純にこれだけ利益が乗っていれば、わざわざ配当を取ることも無いといったところか。配当受け取りまで数ヶ月かかることから、想定されていた利益確定との見方もされている。国内外の機関投資家、特に海外勢については、いつでも利益確定の売りが出やすい需給状況であろう。

■新年度相場入りも先高期待はやや後退か

今週は名実ともに新年度相場入りとなり、これに伴う年金資金の動向が注目されている。先日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団の3共済が運用資産の共通指針を発表。3共済についても、GPIFと同様、株式や海外資産といったリスク投資に資金を積極的に振り向けることになる。

また、月末にかけては投信設定も多く需給面での下支えとして意識されよう。そのほか、配当落ちに対する再投資(配当落ちで資産が減少した分を、配当を受け取るまで先物買い等で調整する)も引き続き意識されよう。ただし、一方では国内外の機関投資家による利益確定といった需給要因に振らされやすい。新年度期待とはいえ、投資家心理としては一時の先高期待はトーンダウンしており、慎重姿勢が強まる可能性がありそうだ。

■小売決算はピーク感、カジノ、インテル、直近IPO

今週は30日にニトリ<9843>、しまむら<8227>、4月2日にセブン&I<3382>等、小売企業の決算発表が予定されている。インバウンド消費による業績上振れが期待されるなか、ピーク感につながるようだと、相場全体への利益確定ムードに向かわせる可能性がありそうだ。その他、週初にはカジノ議連の総会が予定されており、カジノ関連への思惑材料に。週末の米国市場では半導体大手インテルは特殊半導体メーカーのアルテラの買収に向けて協議に入っているとの報道を受けて両社ともに上昇。これが他の半導体株へも波及をみせており、国内についても再編機運が高まる可能性も。また、先週は10社のIPOがあったが、いずれも初値形成後は消化不良の値動きだったこともあり、短期筋のリバウンド狙いの資金は向かいやすい。

■日銀短観、週末に米雇用統計控える

経済指標では30日に2月の鉱工業生産指数、4月1日に日本銀行が企業短期経済観測調査(短観3月調査)を発表する。事前予想の中央値は大企業製造業DIがプラス14(12月調査はプラス12)。海外では31日に3月のユーロ圏消費者物価指数、4月1日に3月の米ISM製造業景況指数、3月の米ADP雇用統計、2日に2月の米貿易収支、3日に3月の米雇用統計が発表される。なお、3日はグッドフライデー(聖金曜日)の祝日のため欧州市場などが休場になる。そのため、物色の流れとしても材料系の銘柄や中小型株、内需系辺りにシフトしやすいか。

《TN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均