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【市況】新興市場見通し:大型株への資金シフトから引き続き上値の重い展開を想定


先週の新興市場は、東証1部市場が堅調な動きとなる中で、相対的に上値の重い展開となった。外部環境は改善方向にあったものの、資金は主力の大型株にシフト、中小型株には換金売り圧力が強まった。一部の中心銘柄の軟調な動きなども響いたほか、決算発表が売り材料と捉えられるものも直近IPO銘柄をはじめ目立つ格好に。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.5%であったのに対して、マザーズ指数は-0.7%、日経ジャスダック平均は+0.9%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で11.8%の大幅安となった。前週末に発表した決算は市場予想を上回ったが、中国展開の伸び悩みなどから、材料出尽しと受け止められた。一部の投資判断格下げの動きなども響いた。一方、ガンホー<3765>はリバウンドの動きが強まって6.2%高、サイバーダイン<7779>は決算発表控える中で0.1%高と様子見。週末にはFFRI<3692>、U-NEXT<9418>、オプティム<3694>、クラウドワーク<3900>など直近IPO銘柄が決算発表を受けて総じて下落。一方、カヤック<3904>は好決算が好感される。ほか、アイビー<4918>は大規模な自社株買い、モブキャスト<3664>は新アプリの登録開始、DMP<3652>は開発製品の車載機器向け採用発表で、それぞれ買われる。また、前週のスターHD<8702>に続いて、セゾン情報<9640>、医学生物<4557>、夢展望<3185>など、M&Aの動きが相次いで表面化したことが話題に。アールエスシー<4664>やKYCOM<9685>に短期資金の値幅取り商いが集中、株価は急騰を演じている。一方、アエリア<3758>や山王<3441>は過熱警戒感からの手仕舞い売りが殺到した。

今週の新興市場は、引き続き外部環境は良好と見られるなか、上値の重い展開が継続しそうだ。資金シフトが続き、依然として主力大型株優位の状況となる公算。ジャスダック平均は2380円レベルの上値抵抗線が、マザーズ指数は25日移動平均線レベルが上値の重しとなろう。全般的には決算発表も一巡し、値動きの軽さなどに物色の関心が向かおう。

ミクシィの動向には引き続き関心が高まるとみられる。目先のカタリストが不足する中、直近安値3875円を割り込むと、新興市場全般に悪影響が波及する懸念もあるだろう。ほか、決算発表を受けてのサイバーダインの動向なども注目、サプライズは乏しいが、押し目買いのきっかけなどにつながっていくか。好決算発表のデジタルガレージ<4819>、中期計画が注目されそうなアプリックスIPなどにも注目。今週もセルシード<7776>やハマイ<6497>などの決算発表が予定されている。週末にはソニー<6758>のZMP出資報道が伝わっており、自動運転車関連銘柄などに物色の矛先が向かう可能性は期待できよう。中国の春節や訪日外国人数の発表でインバウンド関連などにも関心は高まりやすいか。ギリシャ問題の行方次第では、輸出関連株に見直し買いが集まる可能性も高い。

今週は、18日にファーストブラザーズ<3454>、ファーストロジック<6037>、19日にALBERT<3906>と3社のマザーズ新規上場が予定。12日には今年初のIPOとなったKeePer技研<6036>が上場、初値は公開価格比49%高のスタートになったが、週末終値は初値比6%安の水準となっており、マザーズ市場の低迷とともに、セカンダリー市場の伸び悩みがネガティブな影響を強めさせる可能性も残ろう。

《TN》

 提供:フィスコ

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