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【市況】新興市場見通し:値ごろ感のある中小型株は買い戻し優勢の展開に


先週の新興市場は、外部要因や需給要因の影響で値動きの激しい展開になった。週前半は原油安に端を発するロシア等の資源国経済に対する懸念拡大からリスクオフ相場が鮮明となり、新興市場でも売りが膨らんだ。また、先週は12月最大の注目IPOであるgumi<3903>を含め14社もの新規上場があり、既存銘柄への換金売り圧力が強まる格好に。ただ、週後半になると、ロシア・ルーブルや原油価格が安定したことによる投資家心理の改善やIPO銘柄の売却資金還流で買い戻し優勢の展開となり、急速に値を戻した。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.4%であったのに対して、マザーズ指数は-0.6%、日経ジャスダック平均は-1.4%だった。

個別では、ジャパンインベストメントアドバイザー<7172>、FFRI<3692>、CRI・ミドルウェア<3698>、オプティム<3694>といった直近IPO・マザーズ売買代金上位銘柄がいずれも週間で20%を超える上昇となるなど強いリバウンドに。その他、マザーズではテクノマセマティカル<3787>、クラウドワークス<3900>、ジャスダックでは研創<7939>、エムティーアイ<9438>、ローヤル電機<6593>、第一化成<4235>などの上昇が目立った。一方、過年度決算の訂正と今期業績予想の大幅下方修正を発表したエナリス<6079>が連日の上場来安値更新。12月IPO銘柄ではGMO TECH<6026>や弁護士ドットコム<6027>の下落が目立った。前週大幅に上昇した麻生フオームクリート<1730>、リバーエレテック<6666>などのジャスダック銘柄は一転利益確定売り優勢に。なお、先週は14社が新規上場したが、マークラインズ<3901>、フルッタフルッタ<2586>、アドベンチャー<6030>などは初値形成後にさえない展開となった。一方、U-NEXT<9418>は連日でストップ高となるなど、セカンダリーでのパフォーマンスは二極化が鮮明となっている。

今週の新興市場は、引き続き買い戻し優勢の展開が想定される。12月IPOは既に7割が消化。加えて、中小型株の多くは12月初めの水準と比較して値ごろ感があり、IPO銘柄の売却資金が向かう形となるだろう。足元で調整のきつかった直近IPO銘柄やマザーズ売買代金上位銘柄を中心にリバウンド基調が強まるとみられる。また、24日の第3次安倍内閣発足を受けて、政策関連銘柄も再び注目されよう。

週明けの取引では、来期業績の観測報道が伝わっているザインエレクトロニクス<6769>やレアジョブ<6096>に関心が向かうか。いずれも四季報予想を上回る見通しとなっており、ポジティブ視される可能性。また、12月IPO銘柄では、セカンダリーでも比較的高い人気を維持しているU-NEXTやクラウドワークスが注目されよう。その他、足元で調整一巡感のあるサイバーダイン<7779>や、リバウンド基調に転じている日本マイクロニクス<6871>、11月高値を更新し人気が継続しているFFRIの動向に注視したい。

今週の決算発表は、26日にトライステージ<2178>、ハローズ<2742>などが予定されている。また、9社の新規上場が予定されているが、ユニークなベンチャー企業として知名度の高いカヤック<3904>(25日、マザーズ)が注目されるほか、エクストリーム<6033>(25日、マザーズ)やMRT<6034>(26日、マザーズ)の人気が高いようだ。

《TN》

 提供:フィスコ

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