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【市況】新興市場見通し:ミクシィとサイバーダインの動向を睨みながらの展開


先週の新興市場は、決算発表が本格化する中で、好業績銘柄や好決算期待銘柄を中心に見直し買い優勢の展開となった。とりわけ、好決算期待を背景にミクシィ<2121>が上値追いとなったほか、サイバーダイン<7779>も賑わいを見せ、両銘柄が上昇の牽引役に。週末にかけては、アルゼンチンのデフォルト懸念を背景にリスクオフムードが強まったものの、両銘柄は揃って上場来高値を更新するなど、短期資金による値幅取り狙いの動きは活況が続いた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.4%であったのに対して、マザーズ指数は+5.6%、日経ジャスダック平均は-0.5%だった。

個別では、ミクシィが週間で約55%、サイバーダインが約38%の急伸となった。ミクシィはスマホ向けゲーム「モンスターストライク(モンスト)」のヒットによる好決算期待が先行したほか、サイバーダインは一部で社長インタビューが報じられ、現在、日本で福祉用に利用されているHALが2015年夏ごろをめどに「医療機器」として認められる可能性があると伝わったことが材料視された。また、フリークアウト<6094>が上場来高値を更新したほか、VOYAGE<3688>は今期業績計画を上方修正し強含むなど、アドテクノロジー関連が堅調。一方、ガンホー<3765>は中間決算にサプライズがなく軟調だったほか、サイバーエージ<4751>も換金売りが継続した。その他、日本通信<9424>やマクドナルド<2702>、ジーテクト<5970>などは決算内容が嫌気され調整色が強まった。

今週の新興市場は、直近で上値追いが続いているミクシィとサイバーダインの動向を睨みながら、神経質な展開となりそうだ。先週末も全市場の売買代金トップがミクシィ、2位がサイバーダインとなるなど、短期資金による活況な売買が続いている。今週も両社の人気化が継続し個人投資家の資金回転が利くと、物色の広がりも期待されるところ。ただし、短期的な過熱感は相当強まっているほか、ミクシィについては8日に予定されている決算発表を通過しいったんは出尽くし感が意識される可能性がある点には注意が必要となろう。また、アルゼンチンのデフォルト懸念など、外部環境の先行き不透明感が強まる局面では、換金売りが膨らむことも想定しておきたい。

個別では、決算内容を手掛かりとした物色が中心となりそうだ。最も注目されるのはミクシィの決算とみられ、「モンスターストライク(モンスト)」の好調による業績拡大期待が先行しよう。ちなみに、4-6月期営業利益のコンセンサスは30億円程度となっているようだ。その他、今週は4日にラック<3857>、DAC<4281>、第一興商<7458>、5日にフィックスターズ<3687>、オーデリック<6889>、ワイヤレスG<9419>、6日にヒビノ<2469>、地盤ネット<6072>、イリソ電子<6908>、エムティーアイ<9438>、7日にエナリス<6079>、8日にクルーズ<2138>、パピレス<3641>、APLIX<3727>、ハーモニック<6324>、マイクロニクス<6871>などの決算発表が予定されている。

なお、今週は7日にJPX日経400の採用銘柄入れ替えが発表される。新興市場では、スターバックス<2712>が採用候補銘柄となる一方、フィールズ<2767>が除外候補銘柄として挙げられている。

《TN》

 提供:フィスコ

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