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【経済】【中国の視点】ロシア:クリミア編入ですでに「大きな代償」、財政圧迫に批判の声


中国の専門家はこのほど、ロシアのプーチン政権がウクライナ南部クリミア半島をロシアに編入したことについて、欧米制裁を加える前にロシア政府がすでに大きな代償を払っていたと指摘した。

ロシア政府は年内、クリミア政府に対して計28億米ドル(約2856億円)の緊急支援を約束した。また、クリミアの経済を支えるには年1000億-1300億ルーブル(約2870億-3731億円)が必要。年金や給与水準をロシアと同水準に引き上げる場合、年間少なくとも2600億ルーブルの予算が必要と試算されている。さらに、今年のクリミアの財政赤字は550億ルーブルになるとも予測されている。

一方、今年1-2月のロシアの財政黒字は305億ルーブル(財務省データ)となり、1-2月のペースで計算すると、通年は約1800億ルーブルの財政黒字になる。クリミア支援するにはぎりぎりとなり、ロシア財政が大きく圧迫されると批判された。また、国内の景気低迷や主要輸出品である石油・ガスの国際相場に大きく変動すれば、ロシア自身の財政収支も赤字に転落すると警戒された。

モルガン・スタンレー証券(MS)は先週、欧米の制裁などを受けて今年のロシアの成長予想を0.8%に下方修正した。これより先、国内の大手金融VTBキャピタルは今年のロシアがゼロ成長になると予測。また、世界銀行は26日付のリポートで、ウクライナ情勢が一段と緊迫し、欧米が追加制裁を決定した場合、ロシア経済が2014年に1.8%のマイナス成長に転落すると予測した。

なお、ロシアの政府筋によると、クリミアの持続可能な財政システムを維持するため、ロシア政府が計画中のクリミア経済特区でカジノ場の建設を検討しているという。中国の専門家は、クリミア経済の早期自立を実現しなければ、ロシア経済が共倒れする可能性があると指摘した。

《ZN》

 提供:フィスコ

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