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【市況】28日の中国本土市場概況:上昇、優良株「T+0」取引の導入観測で証券株に買い


28日の中国本土市場は上昇。上海総合指数は前日比8.95ポイント高(+0.44%)の2056.30、深セン成分指数は同177.18ポイント高(+2.46%)の7365.93で取引を終えた。上海市場は中盤に下値を模索する展開もあったが、その後は徐々に買い戻された。

優良株に約定日と受渡日が同日になる「T+0」取引が導入されるとの観測を受けて、後場に証券セクターへの買いが集中し、指数の上昇をけん引した。上海証券取引所が優良株の取引量を拡大させるなどとしたことがこうした観測を強めた。また、政府がネットセキュリティを国家戦略に引き上げる方針を示したことや、スマートグリッドの整備を加速させるとの政府方針が通信や配電関連の物色手掛かりとなった。

一方、銀行や石油・ガスなど大型銘柄の下落が指数の上値を抑えた。最近の上昇で石油・ガス関連がやや買われ過ぎ感が強まったほか、電子商取引大手・アリババグループが手がけるファンド投資サービス「余額宝」の規模拡大に伴い、銀行預金の流出懸念が高まっている。また、鉄道整備資金の不足が依然として解消されていないことも前半の建設や鉄鋼などの売り手掛かりとなった。

なお、最近の人民元の急落について、過剰流動性を調整するための手段だとの見方が濃厚になっている。中長期的なスパンでは元高を予想する機関投資家が多いが、過剰な流動性が是正されるまで中国人民銀行(中央銀行)が元安誘導を継続する可能性があるとの見方は浮上している。

《KO》

 提供:フィスコ

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