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【杉村富生の短期相場観測】 ─ 3分割ポートフォリオの構築を!


「3分割ポートフォリオの構築を!」

●先物に振り回される日本の株式市場!

 改めて述べるまでもないが、日本の株式市場はボラティリティ(株価変動率)が極めて高いマーケットである。 日経平均株価は乱高下を繰り返している。3月8日は430円安、12日は378円高、13日は213円安だった。個人投資家の多くが「これでは落ち着いて投資ができない」と。当然の反応だろう。

 この背景には機関化現象の進展、外国人主導、新しい投資商品の登場、投資スタイルの変化……などの要因があろう。特に、元凶は先物だ。昨年10~12月に、外国人は先物を約4.9兆円売り越した。結果的に、日経平均株価(ザラ場ベース)は2万4448円(10月2日)→1万8948円(12月26日)と急落した。下落幅は5500円に達する。

 しかし、今年に入ると、一転して1.8兆円の買い越しだ。これを受け、日経平均株価は3月4日に2万1860円まで駆け上がった。約2900円幅、15.4%の急騰劇である。何がどう変わったのか。いや、何も変わっていない。投機筋(ヘッジファンド)の暗躍である。

●操作が可能な日経平均株価の特性!

 実は、これは周知の事実だが、日経平均株価は操作できる。なにしろ、ファーストリテイリング <9983> の日経平均株価に占める構成比率は9.34%、ソフトバンクグループ <9984> は5.63%、ファナック <6954> は3.24%となっている(3月14日時点)。極端な話、ファーストリテイリングが急騰すると、日経平均株価は大幅高となる。

 そう、日経平均株価は単純平均型の株価指数だ。このため、値がさ株の影響を強く受ける。時価総額ベースのTOPIXは違う。ファーストリテイリングの構成比率は0.31%にすぎない。これでは操作のしようがない。ともあれ、日経平均株価はヘッジファンドの行動に振り回される。さらに、短期・順張りの投資家が彼らに提灯をつける。

 いわゆる、この相場は先物と売り方が作る相場である。一般の投資家はまともには付き合えない。ただ、これが現実だ。筆者はマーケットの特性を理解し、投資戦術を構築せよ、と主張している。マーケットは変わらない。具体的には(1)短期・順張り、(2)長期・逆張り、(3)優良株の長期投資……の3分割ポートフォリオを提唱している。この比率は「自分の性格」によって変わる。

 この局面では直近のIPO銘柄が狙い目だ。すなわち、東海ソフト <4430> [東証2]、スマレジ <4431> [東証M]、ライトアップ <6580> [東証M]、サーバーワークス <4434> [東証M]、霞ヶ関キャピタル <3498> [東証M]、ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス <6575> [東証M]などに妙味があろう。

2019年3月14日 記

株探ニュース

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